ケンポクに行ってきました! 『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』リポート。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ケンポクに行ってきました! 『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』リポート。

『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』の参加アーティストは若手からベテランまで多彩な顔ぶれです。茨城県北の古い伝承から日本の近代化を担った産業遺産まで、信仰とテクノロジーが入り混じる歴史も魅力的。出展作品数約100点の大型展から見どころを厳選紹介します。

テア・マキパー《ノアのバス》(2016)。海から山へ行くので行き先表示板も「山行き」だ。
JR日立駅近くに停車しているこのバスには、人間は乗車できない。草や花、うさぎや鳥がすでに乗車しているからだ。このバスはフィンランド出身のテア・マキパーによる「バイオトープ・トゥ・ゴー」というシリーズのひとつ。自動車に動植物を住まわせるというアートだ。茨城での作品のタイトルは《ノアのバス》。海から山へ動物たちが逃げていくというのがコンセプトになっている。
内部は、うさぎや鳥など動物や植物たちの楽園。
動植物は人類の文明とは関係のないところで生きているように思われているが、植物は虫だけでなく鉄道や船によって種を遠くに運ばせ、生き残ろうとしているという解釈もある。人間と自然との普段は意識しないつながりを感じさせる。
米谷健+ジュリア《クリスタルパレス:万原子力発電国産業製作品大博覧会》(2012-2016)。原発をテーマにした、ちょっと怖いけど美しい作品。科学技術に対する憧れと恐れを思わせる。
バスのすぐ近く、〈日立シビックセンター〉の地下にはきれいなシャンデリアが飾られている。米谷健+ジュリアの作品だ。大小さまざまのシャンデリアはグリーンの蛍光色を放って妖しく輝く。このシャンデリアはブラックライトをあてると緑色に光るウランガラスでできている。原子力発電に利用されるウランを含んだガラスだ(含有量はごくわずかなので、人体には影響がないと考えられている)。それぞれのシャンデリアは原発を稼働させている国を現わし、その発電量に応じて大きさが決められている。闇に浮かぶ緑の光からさまざまな意味が立ち上がる。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます