青野尚子の「今週末見るべきアート」|エロティシズム溢れる「快楽の館」 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|エロティシズム溢れる「快楽の館」

瀟洒な美術館が、エロティシズム溢れる写真で埋め尽くされている。原美術館で開かれている話題沸騰の篠山紀信展「快楽の館」で篠山紀信自身が語りました。

明るい戸外で服を着ていても漂うエロティシズム。美しく撮られたモデルたちはときに生身の人間なのか、人形なのか、その判断の隙間に私たちを追い込む。「こんなにキレイな女の子がいるはずがない。そう思うとモデルが人形に見えてくる。人形に生や死があるのかを考えるのも面白い。この展覧会は全編、いろんなことを行き来しながら見てほしい」(篠山) 篠山紀信「快楽の館」2016年(c)Kishin Shinoyama 2016
ところが2012年、熊本市美術館で日本の公立美術館では初めての個展を開くことになる。

「そうしたら僕自身が驚いた。美術館というのは大きな壁がある非日常的な空間だけれど、そこにパワーのある写真を巨大に伸ばして飾ると『空間力 vs. 写真力』のバトルになるんです。それがほんとに面白かった。そのときは横が9メートルもあるシノラマを展示したんだけれど、撮った僕も初めて見る光景でした。写っている森の中に吸い込まれていくような気持ちになって、写真って面白いと思ったんです」
こちらも死を思わせるカット。今回はメイル・ヌードも展示されている。モデルはプロレスラーのオカダ・カズチカ。 篠山紀信「快楽の館」2016年(c)Kishin Shinoyama 2016
篠山はそのとき、「美術館は写真にとって新しいメディアなのだと思った」という。

「写真は伸ばせば伸びるし、印刷メディアに比べて美術館なら大きなサイズのものも展示できる。その巨大な写真を空間の中に置いたときに、すごいパワーを感じたんです」

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます