ART
ヨーガン レールから届いた最後のメッセージ。
August 29, 2016 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
環境問題に向き合い、独自の活動を通して自然の尊さを発信してきたデザイナーのヨーガン レール。晩年暮らした沖縄・石垣島で彼が取り組んだのは、海辺に打ち上げられたプラスチックゴミを拾い集め、美しいランプに生まれ変わらせることだった。そうして生まれた照明作品を中心に構成した企画展が、十和田市現代美術館で開催される。
1966年の来日以来、長年、日本で過ごし、自然の素材を活かした服作りで高い評価を得てきたヨーガン レール。1990年後半からは、八重山諸島にある海辺の家に移り住み、自然に寄り添いながら日々を過ごしてきた。
創作活動の合間に足を運ぶ海辺で彼が直面したのは、毎日大量に打ち上げられるプラスチックゴミだ。ペットボトルのふた、スーパーのレジ袋や鼻緒の切れたビーチサンダル。人間の手によって捨てられたおびただしい数のゴミは、かつてここにあったはずの美しい海を破壊する。この現実に懸念を抱いた彼は、ゴミを拾い集めて色ごとに分別し、それをもとにランプを作りはじめた。
「醜いプラスチックのゴミを大量に見せただけでは、その恐ろしさをわかってもらえないなら、私はそのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。ただ美しいだけのオブジェではなく、もう1度、人の役に役立つ実用的なものに変えましょう。これは、ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗です。それによって、この大量のゴミに目を向けてもらえるように。私はこれを最後の仕事だと思っています」
深刻な環境問題から生まれた悲しみと憤りを、カラフルでユニークなフォルムのランプに変え、私たちに自然の尊さを伝える。
創作活動の合間に足を運ぶ海辺で彼が直面したのは、毎日大量に打ち上げられるプラスチックゴミだ。ペットボトルのふた、スーパーのレジ袋や鼻緒の切れたビーチサンダル。人間の手によって捨てられたおびただしい数のゴミは、かつてここにあったはずの美しい海を破壊する。この現実に懸念を抱いた彼は、ゴミを拾い集めて色ごとに分別し、それをもとにランプを作りはじめた。
「醜いプラスチックのゴミを大量に見せただけでは、その恐ろしさをわかってもらえないなら、私はそのゴミを使って、何か自分が美しいと思うものを作り出す努力をします。ただ美しいだけのオブジェではなく、もう1度、人の役に役立つ実用的なものに変えましょう。これは、ものを作ることを仕事にしている私の小さな抵抗です。それによって、この大量のゴミに目を向けてもらえるように。私はこれを最後の仕事だと思っています」
深刻な環境問題から生まれた悲しみと憤りを、カラフルでユニークなフォルムのランプに変え、私たちに自然の尊さを伝える。
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