瀬戸内国際芸術祭2016「夏会期」新作レポート!

瀬戸内の夏をアートで楽しむ『瀬戸内国際芸術祭 2016』がいよいよ開幕しました。そこで、夏会期の新作の中で注目を紹介します!

《昭和40年会男木学校 PSS40》展示風景。右奥は会田誠《自殺未遂マシーン3号機》。中央の座卓付近は引きこもりの中高生が読む本をリサーチして置いたり、ゲームの実況動画を流したりして、思春期の男子の部屋を再現した《同じ日々、同じ朝、同じ空》。左は松蔭浩之の《エリーマイラブ》。モデルはChim↑Pomのエリイのだいぶ若かりし頃。
男木島のもと旅館だった建物では「昭和40年会」(会田誠、有馬純寿、大岩オスカール、小沢剛、パルコキノシタ、松蔭浩之)が作品を展示している。単にみんな昭和40年に生まれた、というだけの理由で結成された会だ。
男木島の昭和40年会《昭和40年会男木学校 PSS40》で自作を解説する小沢剛。このあとさらに上にコンクリートブロックが積まれた。
そこで小沢剛が出品している作品はなかなかの問題作だ。電柱などに「明るい未来のエネルギー」と書かれている。福島県双葉町にあった「原子力 明るい未来のエネルギー」という標語を同じ書体で引用したものだ。街に掲げられていたこのボードは福島第一原発の事故後、崩落の危険があるという理由で撤去された。その撤去に反対し、取り外されたボードを保存しているのは子供の頃、この標語を考えた大沼勇治さん。
蛍光灯で怪しく光る小沢剛の「明るい未来のエネルギー」の文字。
「負の遺産を未来に伝えようとする彼のアクションに胸を打たれた」という小沢は標語の後半を引用して作品にした。彼は前回の瀬戸内国際芸術祭2013で原子力関連ポスターの写真作品を展示しており、今回の作品はそれに続くものになる。実際には明るくはなかったエネルギーの、皮肉な側面が浮かび上がる。
《昭和40年会男木学校 PSS40》男木島中心部。9時30分〜16時15分。会期中無休。300円。