青野尚子の「今週末見るべきアート」|金沢に出現した「西京国」って何ですか? | ページ 4 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|金沢に出現した「西京国」って何ですか?

“芸術を愛する人々が住む国”、「西京国」が〈金沢21世紀美術館〉にやってきた! 国民は3人、大統領は日替わり、という変わった国だ。国と一緒に金沢にやってきた3人の国民のうち、アーティストの小沢剛とギムホンソックに聞きました。

展覧会では「西京国」プロジェクトのほか、国民がそれぞれ個々に制作している作品も並ぶ。ギムホンソックは“美術館の中で働く人”を展示した。うさぎの着ぐるみや、うずくまる人のオブジェの中には人間が入っていて、一定の対価と引き換えに、その場にじっとしている、という労働をしているのだという。と見せかけて、本当は中の人などいない、というオチだ。美術館を訪れる人をだますアートなのだそう。
ギムホンソック《これはうさぎです》(2005年)。壁には「うさぎのコスチュームを着ているのは韓国生まれの労働者、ミスター・B」と書いてあるけれど、実際には中に人はいない。
ギムホンソック《ミスター・キム》(2012年)。左側にうずくまっている人はギムホンソックが雇ったコンテンポラリー・ダンサーで、美術館でパフォーマンスをしている、らしいのだが……。右は作者のギムホンソック。
チェン・シャオションは1909年から2009年までの間に起きた歴史的な出来事を描いた絵によるアニメーション《インク・ヒストリー》と、世界中のストライキの光景をもとにした同じく手描きのアニメーション《インク・メディア》の二つの作品を発表。《インク・ヒストリー》では時代順ではなく、ところどころに自分のストーリーも加えていて、新たな歴史を創造している。《インク・メディア》では実際のデモ現場で流れていた音を聞くこともできる。ノリのいい音楽が流れていたりするのが面白い。
チェン・シャオション《インク・メディア》(2012年)。世界中のデモや抗議活動の様子をインク画で描いた映像作品。