青野尚子の「今週末見るべきアート」|金沢に出現した「西京国」って何ですか? | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|金沢に出現した「西京国」って何ですか?

“芸術を愛する人々が住む国”、「西京国」が〈金沢21世紀美術館〉にやってきた! 国民は3人、大統領は日替わり、という変わった国だ。国と一緒に金沢にやってきた3人の国民のうち、アーティストの小沢剛とギムホンソックに聞きました。

ここで「国家とは何だと思いますか?」とちょっと硬い質問をぶつけてみたところ、ギムホンソックが「シンポジウムみたいですね」と苦笑しつつ、次のように答えてくれた。

「西京国は既存の国とは違います。そもそも国家というものになったことがありません。友だちの家に遊びに行く感覚だと思ってもらえればいいのでは。友だちの家に行くみたいに他の国に行ってもいいかな、といった感じなんです」
《第4章:アイラブ西京ー西京国の学校》(2013年)。なんだか楽しそうな学校です。
展覧会場では「西京国」の人々がどのように暮らしているのかが紹介される。大統領は西京国を楽しく、豊かなものにするため都市計画、財政、農業、国防など国内のさまざまな課題について提言する。西京国で学校を作ったらこうなる、という映像作品では3人が教師になって、ともに語学、数学、哲学などを学ぶ。たとえば音楽の授業では小沢たち3人がひとりの生徒に西京国の国歌を歌い、その生徒が別の生徒にそれを歌って聞かせ……、ということを10人繰り返すと新しい国歌ができる、という“歌の伝言ゲーム”が行われている。
西京国ではオリンピックも開催される。主に、3人の国民がさまざまな競技に挑む。マッサージベッドに横たわる人を、ボクシンググローブをはめた2人がマッサージする「ボクシング」は気持ちいい、というよりは痛そうだ。「フェンシング」では長い棒で互いにくすぐり合う。笑ったら負け、というルールなのだろうか、それとも? 「ゴルフ」では長い自撮り棒の先にスマホをつけたものをゴルフクラブのかわりにして球を打つのか、と思いきや自撮りが始まる。「平和の祭典」にふさわしい、のんびりさかげんだ。