ももクロ・百田夏菜子 in ワンダーウォール!? アートの迷宮で片山正通が特別講義。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ももクロ・百田夏菜子 in ワンダーウォール!? アートの迷宮で片山正通が特別講義。

『Musée du ももクロ』(テレ朝動画)でアートを学ぶももいろクローバーZの百田夏菜子と、第1シーズンの監修を務めたインテリアデザイナー、Wonderwall・片山正通がBlu-ray BOXの発売に記念して久しぶりの対面。まるで迷宮のように至るところにアートが飾られた仕事場を案内された百田は、映画『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスさながら、不思議な世界を体験。これまで見てきた展覧会や作品を遡りながら、それぞれの目線でアートについて語り合いました。

百田さんの身長を優に超える大きな少女の木彫,大竹利絵子『In or Out』(2012)。/Wonderwall・1st FLOOR
片山さん(以下、K) 大竹利絵子さんの木像ですね。1本の巨大な樟(くすのき)の中を大竹さんが作品の中に出たり入ったりしているような感覚になりながら、少女の像を掘り出した大作です。僕もアートのプロというわけではなく、ただのアート好きなんですが、夏菜子ちゃんがいうように、アートの楽しみ方は人それぞれでいいんですよね。欲を言えば、ルールがわかるとさらにおもしろくなる。でも、何も知らなくても、考える癖がつけば、見えないものが見えてくる。ライアン・ガンダーの作品はまさにそうなんですよね。見えないから考える。そして、考えることに価値があると気づかせてくれる。

M エントランス近くのガラスケースに飾られていた作品ですよね。
日本語訳で“錬金術の箱”と名付けられた、ライアン・ガンダー《Alchemy Box No.10.1 - Memorandum JB CH AG (Brother Box )》(2008)。壁のキャプションには箱の中身(とされている)モノの名前が記載されている。/Wonderwall・1st FLOOR
K この作品は『アルケミーボックス』というタイトルが付いているんですけど、ぱっと見はゴミの塊にしか見えないし、中に入っているものは、ホテルのステーショナリーやコルクのタイルなど何てことないものばかり。しかも、果たして本当にそれらが入っているのか、箱を開けてみないとわからない。箱も中身も高価なものじゃないのに『アルケミーボックス』と名前をつけて作品にすることで価値がつき、しかも、箱を開けてしまうと玉手箱みたいに一瞬にして価値がなくなる。この作品が目に入るたびに“価値とは何なのか”と考えさせられて、それがおもしろい。

M しかも、ライアンさんはガラスケースに入れて展示しないで、床に置いておいてっておっしゃってたんですよね。それがクールなんだって。

K  そう。でも、あの箱を床に置いておくと誰かに捨てられちゃうかもしれないからできない。作家は捨てられることも含めて多分アートだと思ってるんだろうけど、言うことが乱暴だよね(笑)。でも、そういうところが羨ましいんです。僕は言えないから。アートって可能性の話だから、失敗してもいいし、捨てられてもいい。そこがすごく素敵なところ。

M でも、箱の中身知りたくなりませんか? 私だったら開けたくなっちゃう(笑)。

K 答えがわかったら、賞味期限が終わってしまう気がするんです。わからないから飽きずに観ていられるし、ここにアートがあって良かったなと思う。デザインとアートの違いはそこかな。デザインは答えを出さないといけないけど、アートは答えを用意しなくてもいい。だから、僕は憧れるんですよね。
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