瀬戸内国際芸術祭2016〈直島・豊島〉新作リポート! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

瀬戸内国際芸術祭2016〈直島・豊島〉新作リポート!

春会期が開催中の「瀬戸内国際芸術祭2016」。穏やかな海に陽光がきらめく島々は初日から大賑わいです。豊島(てしま)と直島から、注目の新作をピックアップしました。

古い民家を改造した《豊島八百万ラボ》。
豊島にはもう一つ、アーティストのスプツニ子!による恒久設置作品《豊島八百万ラボ》が誕生した。縁結びの神社のように「絵馬掛け」もある建物は古い民家を改造したもの。こけら落としとして、スプツニ子!の新作《運命の赤い糸をつむぐ蚕 - たまきの恋》が展示されている。ある女の子が先輩に恋をする。告白したい、でもできない。それなら遺伝子工学で絶対に振られない、運命の赤い糸を作ってくれる蚕を作っちゃえ! という、ややイタい女の子の物語だ。
スプツニ子!《運命の赤い糸をつむぐ蚕 - たまきの恋》は、5分ほどの映像とインスタレーションで構成されている。
映像には実際に農業生物資源研究所とのコラボレーションによって、人間が恋に落ちる成分オキシトシンと赤く光る珊瑚の遺伝子を導入して作られた蚕の“赤い糸”が登場する。荒唐無稽な設定にちゃんと科学的な裏付けがあるのが面白い。

ヒロイン、たまきのフルネームは豊田玉姫(とよだ たまき)。古事記に登場する豊玉姫(とよたまひめ)からヒントを得ている。豊玉姫は豊島の由来とも言われており、愛する山幸彦との子供を鮫の姿で産んだともいう。ヒトと鮫の間を行き来する豊玉姫は、ヒトのオキシトシンと珊瑚の遺伝子のハイブリッドである蚕にも通じる。
作品にちなんだ絵馬(640円)を購入して、祈願することもできる。
《豊島八百万ラボ》には、絵馬掛けも設置されている。
建物の改修は成瀬・猪熊建築設計事務所が担当している。元の家の一部をカットして全体を二つに分け、小さいほうをチケットブースに、大きいほうをインスタレーション・スペースにした。インスタレーションがあるスペースは上に鉄骨の柱を渡してその下にあった木の柱を取り払い、広々とした空間にしている。それ以外のところはほとんど変えていないので、ちょっと薄暗い日本の木造住宅の懐かしい雰囲気が味わえる。
スプツニ子!《運命の赤い糸をつむぐ蚕 - たまきの恋》インスタレーションの一部。
〈豊島八百万ラボ〉《運命の赤い糸をつむぐ蚕 - たまきの恋》甲生。TEL 0879 68 3555 。10時〜17時(最終入館16時30分)。ただし10月〜2月は16時まで (最終入館15時30分)。火曜休(3月1日〜11月30日)。火曜〜木曜休(12月1日〜2月末日)。祝日の場合は開館、翌日休。月曜が祝日の場合は火曜開館、翌水曜休。510円(15歳以下無料)。

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