横尾忠則の手で甦った写楽を、天王洲の新ギャラリーで観る。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

横尾忠則の手で甦った写楽を、天王洲の新ギャラリーで観る。

活動期間わずか1年ほど、正体についても謎が多い浮世絵師、東洲斎写楽。その代表作をモチーフに横尾忠則が新作版画を発表する。これまで横尾が描いたポートレイトにマスクを付け加える「マスクポートレイト」とともに、横尾の新しい展開を見せる個展だ。

カルティエ現代美術財団設立30周年を祝う展覧会のために制作した、カルティエ財団ゆかりの文化人や芸術家のポートレイト作品にマスクを付け加えたポスター作品。パティ・スミス、エンツォ・フェラーリ、ジャン=ポール・ゴルチエら華やかな顔ぶれghだ。
カルティエ財団のシリーズではアーティスト(ナン・ゴールディン)、映画監督(デヴィッド・リンチ)、ミュージシャン(ルー・リード)と、多彩なジャンルの人々が登場する。
「病院の中と外を区別するものは何だろう、と考えていたらマスクだ、ということに気がついた。病院の中では医師も看護師も患者も大半の人がマスクをしているけれど、コロナ前は、病院の外では誰もマスクをしていなかったから、そこで明瞭に区別することができた。『兵庫県立横尾救急病院展』ではオープニングに来てくれた200人全員にマスクをつけてもらいました。マスクをつけた人がずらりと並ぶとすごく奇異な、怪しい感じがしたんです。とても非現実的な光景でした。それが今、世界の日常になってしまった」
マスクポートレイト〈文豪シリーズ〉、三島由紀夫。マスクによってかえって内面が暴かれているようにも感じられる。
〈文豪シリーズ〉、太宰治。
このとき来場者につけてもらったマスクは舌を出した唇のグラフィックのもの。絵柄は1960年代に横尾が考えたものだ。石元泰博が撮影した、同柄のマスクをつけた29歳の横尾のポートレイトが残っている。

「このときはこれ1回きりで終わりだな、と思っていたんです。50年後、まさかこんなことになっているなんて思わなかった。アートの中には未来の時間を現すエネルギーがあるのかもしれません」
〈文豪シリーズ〉、夏目漱石。
〈文豪シリーズ〉、寺山修司。横尾は寺山が主宰する劇団天井桟敷に参加、ポスターも手がけていた。
横尾は今、彼が描いたポートレイトにマスクをつけたシリーズ〈with corona〉をほぼ毎日、ツイッターに投稿している。

「もう500回か600回ぐらいになるのでは。コロナが終息したらこのプロジェクトも終わります。僕じゃなくてウイルスが決定しているんです」
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