ビルの屋上、商店街にアートが出現! 金沢の新アート・スポットへ。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ビルの屋上、商店街にアートが出現! 金沢の新アート・スポットへ。

ビルの屋上に巨大な足が、商店街に音と光のアートが。実はこれ、金沢に新しくできたアート・スポットなのです。2020年6月にオープンした美術館〈KAMU kanazawa〉の第2弾、第3弾はこんな大胆なところにできました。

黒川良一の《Líthi》。頭上には反転した”川”が流れ、光を反射する。 Photo:Ichikawa Yasushi © Ryoichi Kurokawa Courtesy of KAMU kanazawa
《Líthi》では空間が抽象的な音と光の情報で埋め尽くされる。 Photo:Ichikawa Yasushi © Ryoichi Kurokawa Courtesy of KAMU kanazawa
もう1軒の〈KAMU BlackBlack〉は〈KAMU sky〉から歩いて5分ほど、ファッションのセレクトショップなどが軒を連ねる竪町商店街にある。こちらではベルリンを拠点に音や映像によるオーディオビジュアル作品を制作しているアーティスト、黒川良一の《Líthi》を展示している。間口が狭い建物の中に入ると、奥行きが長いスペースが広がる。その中が丸ごと彼の作品だ。観客はレーザー、ストロボライトを使った光と音のインスタレーションの内部に入ることになる。
《Líthi》のレーザーやストロボは記憶への接続を表す。 Photo:Ichikawa Yasushi © Ryoichi Kurokawa Courtesy of KAMU kanazawa
作品タイトルの《Líthi》(レーテー)は古代ギリシャ語の翻字で「忘却」を意味する。ギリシャ神話では、ハデスがいる冥府にはレーテーという川があり、冥府にやってきた死者がその水を飲むと前世でのことを忘れてしまうのだという。金沢には犀川、浅野川の2つの川が流れているが、黒川の作品の”川”は、現世の川とはまるで違う表情を見せる。

〈KAMU kanazawa〉ではこのあとも別のスポットに美術館をオープンする予定だ。〈KAMU kanazawa〉の他にも10月24日には〈国立工芸館〉がオープン、「工藝」をキーワードにしたギャラリー〈金澤水銀窟〉も近日中にオープンする。これらのスポットはいずれも徒歩圏内。林田が目論んだ通り、金沢のそぞろ歩きがますます楽しくなりそうだ。

〈KAMU kanazawa〉

〈KAMU Center〉石川県金沢市広坂1-1-52。11時〜18時(金・土〜19時)。月曜休。3館共通で入館料1,100円、小学生以下は無料(チケットの購入は広坂の本館〈KAMU Center〉で。〈KAMU sky〉と〈KAMU BlackBlack〉ではチケットは購入できない)。

久保寛子

1987年生まれ。近年では身近な素材で農耕や偶像をテーマに制作を行っている。2017年「六甲ミーツ・アート」大賞を受賞。主な展覧会に「いのち耕す場所−農業がひらくアートの未来」青森県立美術館(青森、2019)、2016年瀬戸内国際芸術祭など。

黒川良一

1978年生まれ、ベルリン在住。2010年、アルス・エレクトロニカ、デジタル・ミュージック&サウンド・アート部門でゴールデン・ニカ賞(最優秀賞)受賞。これまで〈ポンピドゥーセンター〉や〈テート・モダン〉、ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展などで作品を発表している。
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