浮世絵に見る、江戸の“土木”の構造美|青野尚子の今週末見るべきアート | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

浮世絵に見る、江戸の“土木”の構造美|青野尚子の今週末見るべきアート

私たちの生活を支える大切なインフラ、土木。毎日のように使っている水道や道路は土木工事のおかげだ。その土木のルーツはどうなっていたんだろう? 〈太田記念美術館〉で開かれている『江戸の土木』展が昔の様子を教えてくれます。

二代歌川国明《千住大橋吾妻橋 洪水落橋之図》(個人蔵)。台風の洪水で落橋した千住大橋が吾妻橋にぶつかって吾妻橋も流されてしまう。岸から縄を延ばして回収しようとする懸命な姿も。
江戸も東京もたびたび大火や地震といった災害に見舞われてきた。展覧会には安政2年(1855年)の安政の大地震で曲がってしまった浅草寺五重塔の頂上の九輪を描いたものや、台風による洪水で落橋してしまった橋を描いた絵も出品される。江戸は破壊されるたびにたくさんの人々の助けを借りて立ち直ってきた。土木が暮らしを守ってきたことを実感できる展覧会だ。
作者不詳《浅草寺大塔解釈》。地震のため塔の上部にある九輪が曲がってしまった。

江戸の土木

〈太田記念美術館〉東京都渋谷区神宮前1-10-10。10月10日~11月8日。10時30分〜17時30分。月曜休。800円。

青野尚子

あおのなおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。西山芳一写真集「Under Construction」(マガジンハウス)などの編集を担当。

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