〈弘前れんが倉庫美術館〉オープン! 弘前の歴史を語るアート展へ|青野尚子の今週末見るべきアート | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

〈弘前れんが倉庫美術館〉オープン! 弘前の歴史を語るアート展へ|青野尚子の今週末見るべきアート

田根剛の設計で〈吉野町煉瓦倉庫〉から〈弘前れんが倉庫美術館〉へと生まれ変わった赤れんがの建物。オープニングの展覧会に参加した作家たちが見た弘前の歴史と景色とは?

ナウィン・ラワンチャイクン《いのっちへの手紙》。中央に猪形土製品とマスコットキャラクターが、そのまわりに弘前ゆかりの人々や建物がぎっしりと描かれる。
隣の展示室にはタイ出身の作家、ナウィン・ラワンチャイクンの作品が。彼は弘前で30人以上の市民にインタビュー、それをもとに絵画と映像作品を制作した。作品タイトル《いのっちへの手紙》の「いのっち」とは弘前市立博物館に収蔵されている猪形土製品の愛称。博物館のマスコットキャラクターにもなっている。会場にはこの建物を建てた福島藤助にあてた手紙も展示されている。
笹本晃《スピリッツの3乗》。本来は笹本がここでパフォーマンスをする予定だったが、コロナ禍で延期となっている。
笹本晃《スピリッツの3乗》部分。ガラス球の中で小さなガラスのオブジェが送風機からの風でくるくる回る。透明なシードルを作るために働いていた人々の活気を思わせる。
笹本晃はこの建物に残されていた建具や資材を取り込んで、アルミパイプの中を空気が循環するインスタレーションを制作した。送風機の風で回転するガラスのオブジェは生き物の気配を感じさせる。ドアなどの建具がひっそりと立っていて、かつては人が忙しく出入りしていた情景も思い起こさせる。
畠山直哉が着工前から2年間をかけて撮影した改修工事の写真。
館内には随所に、畠山直哉が改修工事の過程を記録した写真がある。写真はそれぞれ、撮影された場所の近くに展示されているので、現状と比べてみるのも面白い。畠山はデザイナーの服部一成とのコラボレーションによるポスター作品《Thank You Memory》も制作した。会場には自由に持ち帰ることができるポスターもある。
2階から吹き抜けを見下ろしたところ。ナウィン・ラワンチャイクンと伊秀珍の作品が見える。右下は畠山直哉×服部一成のポスター。
この棟では2階の一部の床を解体し、吹き抜けにしている。一番高いところまで15メートルある、ダイナミックな空間になっている。その吹き抜けに面して小さな街がぎっしり詰まったトランクが並ぶ。尹秀珍(イン・シウジェン)の「ポータブル・シティ」、持ち運べる都市というシリーズだ。

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