青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。 | ページ 4 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。

東京・初台のICCで、イギリスの二人組、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンの日本で初めての大規模な個展が開かれている。会場には彼らが謎の行為に奮闘する様子や、たくさんのボールが投げられて落ちる、といったシュールな映像が流れている。いったい何のためにこんなことを? 来日したジョン・ウッドに聞いた。

《ノート》(2004年)
彼らの作品を見る子供たちの反応も面白いと言う。

「展覧会ではよく、子供たちが笑ってるんだ。大人はもっと生真面目だから、前はよく、つい笑ってしまって失礼、って謝る人もいた。今はみんなもっとリラックスして、笑うようになったけどね」

彼らの作品は実にローテクだ。CGは使わないし、画像の加工もしない。ボールや棒を吊るしている糸も見える。

「わざとそうしてるんだ。僕たちはリアルなもの、本物を使って映像を作っている。ものを投げたり落としたり、人が転んだりしたとき、次にどんな動きを見せるのかを完全に予測することはできないよね。予想はできても、大なり小なりそれを裏切るようなことが起きるのが好きなんだ。それがものごとや人間の本質だと思うから。僕たちの作品はこの世界で現実に起きていることのドキュメンタリーであって、そんなふうに本質が現れる瞬間を記録したいと思っている。コンピュータ・グラフィックスはアイデアを表現するもので、今、この世界で起こっていることを明らかにするものではないからね」

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