青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。

東京・初台のICCで、イギリスの二人組、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンの日本で初めての大規模な個展が開かれている。会場には彼らが謎の行為に奮闘する様子や、たくさんのボールが投げられて落ちる、といったシュールな映像が流れている。いったい何のためにこんなことを? 来日したジョン・ウッドに聞いた。

《装置》(1996年)
二人はどうやってこんな作品を思いつくのだろう。

「最初はそれぞれ別々にアイデアを考えて、各自スケッチをする。僕の場合はテレビを見ながら、とか、電車の中で、とか、いろんなシチュエーションでアイデアが浮かんでくる。それをスタジオに持ってきて壁中に貼り、テーブルに向かい合って話し合う。スタジオには卓球台があって、30分たつと卓球をする。ひとしきり卓球をしたら、またテーブルに向かって話し合う。そのうちにアイデアがクリアになってくるんだ。スタジオでは互いに相手を驚かそうとしている。作品を見てくれる人も驚いてくれるといいと思っているけど、予想しない反応にこっちがびっくりすることもあるね」
《100回の落下》(2013年)
ジョンには9歳になる娘がいる。彼女とその友達も大切なインスピレーション・ソースだ。
「この間も庭の隅っこに箱や木片を集めて隠れ家を作ってた。隠れ家といっても屋根もないから雨が降り込んで床も泥だらけだったりするんだけど、壁にチョークで絵を描いたりして何時間でも遊んでる。実用性はないけど、僕の想像力を刺激してくれるんだ。振り返ってみれば自分の小さな頃も壁をよじ登ったりして、世界がどうなってるのか観察していた。子供にとってはすべてが新しいから、ここを押すとどうなるのか、これはどうやって動くのか、自分なりに世界を解読していったんだ。もちろんそれはごく小さなものだったけど、僕たちは結局、今でも似たようなことをしてるんだと思う」

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