青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|「説明しにくい」アートを作る、二人の英国紳士が考えていること。

東京・初台のICCで、イギリスの二人組、ジョン・ウッド&ポール・ハリソンの日本で初めての大規模な個展が開かれている。会場には彼らが謎の行為に奮闘する様子や、たくさんのボールが投げられて落ちる、といったシュールな映像が流れている。いったい何のためにこんなことを? 来日したジョン・ウッドに聞いた。

《車/湖》(2014年)。車がゆっくりと桟橋から湖に落ちていくというシークエンスを模型で表現。
二人は映画から大きな影響を受けている。「映画」というセクションに並ぶ作品は、わかりやすいハリウッド映画から着想したものだ。
「昔はポールと一緒に一晩に2、3本見ていたこともあった。今も映画はよく見ている。とくにワンショットの長さや画面構成、ライティングなどは参考になる。今回出品した《車/湖》は陳腐で(笑)クラシックなアメリカ映画をもとにした。車が湖にゆっくり落ちていく、というごく短いシークエンスを引き延ばして一つの作品にしている」
今回の展覧会では会場構成も彼らが考えた。大きな壁や小部屋のような仕切りでゆるやかに区切られたスペースに、大小の映像が投影されている。観客はそこを歩きながら、好きな位置で作品を鑑賞する。
展示風景
「僕たちは二次元と三次元の関係性にも興味がある。まず二次元のドローイングを描き、それをスタジオで僕たちがパフォーマンスしたりオブジェを動かしたりといった三次元の動きに変換する。撮ったフィルムは二次元だけれど、展示室に映像をインスタレーションすると三次元の空間になる。こうして二次元と三次元を行き来しながら頭の中のアイデアを具現化していく間に、偶然間違いが起きることがある。それがすごく面白いんだ」