光や霧とコラボする、オラファー・エリアソン。 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

光や霧とコラボする、オラファー・エリアソン。

アイスランド系デンマーク人のアーティスト、オラファー・エリアソンが日本の美術館では10年ぶりの個展を開催。近年、彼が大きな関心を抱いているエコロジーについて新しい側面を見せてくれます。3月中旬にオンラインで行ったオラファーへのインタビューとともに、ひと足先に会場の様子をご覧ください。

《おそれてる?》2004年。3枚の円盤がゆっくりと回転するごとに、壁に映る光の様相が変化する。
禅の円相など、宗教的なものも感じさせる。オラファー自身が宗教との関わりについて語ることは少ないが、見る者が作品から自由にストーリーを組み立てることができる。シンプルな仕掛けだからこそ、多様なものを読み取ることができるのだ。
《あなたに今起きていること、起きたこと、これから起きること》2020年。何もない黄色い部屋に入ると、壁にさまざまな色の影が映る。
10年前の〈金沢21世紀美術館〉での個展や恒久設置作品も含めて、日本で何度も作品を見せているオラファーだが、「僕が日本に持ち込んだものよりも日本から学んだもののほうが多いと思う」と彼は言う。そのひとつが絵画における奥行きの表現だ。
《昼と夜の溶岩》2018年。作家自身がアイスランドで見つけた溶岩が白と黒に塗り分けられ、モーターでゆっくりと回転している。惑星に昼と夜が交替にやってくる様子を思わせる。
「ルネサンス以降の西洋絵画では一点透視法による遠近法が一般的だけれど、日本では奥行きを表すのに違う方法を使っている。西洋では遠くにあるものを小さく、近くにあるものは大きく描くけれど、日本の水墨画などでは遠くの建物も近くの建物も同じ大きさで描かれていることがある。水平線が複数あるような感じだ。滝を描いた掛軸はとくに印象的だった。僕は西洋の遠近法でものを見て、描く方法を体得してきたからこの見方は新鮮なんだ」(オラファー・エリアソン)
《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》部分。2019年。アイスランドの氷河の定点観測。地球温暖化のため、20年間に氷河が後退していった様子がわかる。
日本語には英語の「self」、自己という概念を明快に定義する言葉がないのも興味深い、と彼は言う。

「西洋の文化では“エゴ”の定義が多数ある。日本語と違って英語などでは単数・複数を明確に峻別するのもそういった考え方の違いから来ているのでは、と思う。日本の家屋は畳や木でできていて西洋の建築とはまったく違う。自他の区別をどう認識するか、その違いが空間構成に影響しているのではないかとも思う」(オラファー・エリアソン)
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