原宿の秘密基地みたいな〈SKWAT〉|川合将人のインテリアスナップ | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

原宿の秘密基地みたいな〈SKWAT〉|川合将人のインテリアスナップ

インテリアスタイリストが街で見つけた素敵な空間を紹介する連載第9回目は、神宮前の〈SKWAT〉。原宿の路地裏に突如現れる秘密基地のようなスペースは、中村圭佑率いる設計事務所〈DAIKEI MILLS〉が始動させた新プロジェクトの拠点。展示ごとにガラリと様変わりする実験的なインテリアにも注目です。

2階に置かれている、ダイケイミルズとファッションブランド〈TARO HORIUCHI〉のデザイナー、堀内太郎との共同プロジェクトによるスチール製のチェア。無機質な素材ながら曲面を描く座面が適度に身体にフィットして心地よい。
キュービックな形状のスツールは、ファッションブランド〈A MACHINE〉とダイケイミルズのコラボレーションから生まれたもの。ソファ内部に使用されるチップウレタンを、縫製したPVCシートで覆っている。
1階から2階へと続く階段の床は、ブルーのパンチカーペットを貼っている。左に置かれた量感のある木製座面の造形が特徴的なハイスツールは、〈バッサム・フェローズ〉の《トラクタースツール》。座って本を読むことも可能だ。
建物内にはダイケイミルズの家具に加え、マックス・ラムが〈E&Y〉から発表したスツールや、〈バッサム・フェローズ〉の《トラクタースツール》など、デザイン好きなら見逃せないプロダクトが随所に置かれていて、実際に使うことができるのもうれしいところ。
ライトボックスに浮かび上がるロゴマークはこの建物をグーグルストリートビューで見たときの形。
プロジェクト名の「SKWAT」とは、英語の「SQUAT=占拠する」が語源になっている。以前の借主が使用していた過去の内装を残したまま、その空間をまるで占拠していくように、鮮烈なブルーの色を効果的に用いながら、レントゲン写真を見るためのライトボックスや業務用の蛍光ランプ、コンクリートやレンガブロックなどの既製品にアレンジを加え、これまでにない新しい場に変化させていく。
2階から1階を見下ろすとこんな感じ。工事現場などで使われる蛍光管の照明が置かれ、〈twelvebooks〉が額装したアートフォトを照らす。価格は壁に直接ポストイットで貼られているだけで、そのラフさもまたよい。
クラシカルな海外の図書館の写真から家具の部分だけをカットして貼り、リアルな壁付の棚と組み合わせて、アートブックをディスプレイした2階の演出。二次元と三次元の組み合わせが、ユニークな視覚効果を生んでいる。
クラシカルな海外の図書館の写真から家具の部分だけをカットして貼り、リアルな壁付の棚と組み合わせて、アートブックをディスプレイした2階の演出。二次元と三次元の組み合わせが、ユニークな視覚効果を生んでいる。
また、このプロジェクトには、廃棄されてしまうモノを有効活用したいという願いも込められています。現在販売しているアートブックも、内容や品質には問題がないが、不良在庫や不良品として市場に出回らなかったもの。それを、作家名や内容を問わずすべて1,000円、または3,000円という良心的な価格で販売しています。

3月中旬からはこの場所で、コントラクト向けにしか販売されていなかったデンマークのテキスタイルメーカー〈KVADRAT〉のテキスタイルを一般に向けて販売予定。開催中の〈Thousandbooks〉同様、廃番品など廃棄される可能性のあったテキスタイルを低価格で提供するそうです。家具を持ち込んで、好きなテキスタイルを貼ってもらうこともできるといううれしいサービスも!

「今は東京じゅうが建築ラッシュですが、生々しいお店は減ってきたように思います。さらに、オリンピック後に景気が沈んでどうなるのか…そう考えたときに、そういう時期だからこそもう一度、東京のサブカルチャーの起点でもある原宿という場所から、意義のある活動をして行きたくて」と中村は言う。今後〈SKWAT〉の拠点は、渋谷、原宿、青山エリアを中心に20箇所くらいまで増殖する予定とのこと。

東京で、久しぶりにワクワクするお店に出会ったような気がします。
ダイケイミルズの代表、中村圭佑。通常のクライアントワークでは実現の難しい、直感的で自由な発想を形にしながら、社会的な意味を持った活動を展開したかったというのが、〈SKWAT〉を始動した理由だと言う。

〈SKWAT〉

渋谷区神宮前2-18-11。12時〜18時。日曜・月曜休。〜2月22日〈twelvebooks〉、3月中旬から約1ヶ月半〈kvadrat〉ポップアップストアを開催。最新情報はInstagram: skwat.siteでチェックを!

川合将人

かわいまさと  雑誌、カタログ、広告などでインテリアスタイリストとして活躍。イベントの会場構成、ショップやハウスメーカーの空間を数多く手がけ、執筆活動も行っている。

AIがあなたにおすすめ

※過去の記事も表示されます