空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中! | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中!

パリの〈ルーブル美術館〉で現在開催中の『レオナルド・ダ・ヴィンチ』展は没後500年を記念する大規模回顧展。同館が所蔵する5点の着彩画に加え、世界中の美術館から貴重な作品を集めて「万能の天才」の実像に迫ります!

奥にあるのはマルコ・ドッジョーノ作とされる《最後の晩餐》模写。手前のケースにはレオナルドの素描や手稿が並ぶ。
弟子のジョヴァンニ・アントニオ・ボルトラッフィオ作とされる《最後の晩餐》人物頭部の模写。
本展では、これらレオナルドの真筆とされる着彩画に加えて、さまざまな角度から彼の実像に迫る。《モナ・リザ》と並んでもっとも有名な作品である《最後の晩餐》に関しては弟子のマルコ・ドッジョーノ作とされる模写も展示されている。ミラノにあるレオナルドの壁画は彼が時間をかけて描けるよう、テンペラ画と油彩画を混合した技法で描いたため、完成直後から絵の具の剥落が始まるなど、損傷が激しい。会場に並ぶ模写は色も鮮やかで、キリストや弟子たちの表情もよりはっきりと読み取れる。ミラノの本物よりこちらの模写のほうが、レオナルドの意図に近いものである可能性が高いのだ。
ルーベンスほかによる《アンギアーリの戦い》模写。馬の筋肉の描写も生々しい。
右はレオナルド《アンギアーリの戦い》模写、左はミケランジェロ《カッシーナの戦い》模写。この2枚の絵は一緒にフィレンツェの〈ヴェッキオ宮殿〉の「五百人広間」の壁画となるはずだった。つまり、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの“世紀の戦い”が行われるはずだったのだが、ともに未完に終わっている。
《アンギアーリの戦い》のための老戦士の習作。叫び声まで聞こえてきそうだ。
レオナルドの真筆は見つかっていないが、模写が残る作品もある。《アンギアーリの戦い》はフィレンツェの〈パラッツォ・ヴェッキオ〉の通称「五百人広間」と呼ばれる大広間の壁画になるはずだった絵だ。こちらも顔料に蠟を混ぜたものを使ったところ、その蠟が溶けてしまうといったトラブルに見舞われるなどして未完のまま放置され、その上に別の画家が壁画を描いてしまった。展覧会にはレオナルドの下絵をさらに模写したものが展示されている。馬に乗った兵士たちが互いに全力で戦う様子は迫力満点だ。
《レダと白鳥》。レオナルドの工房による模写。両脇にはギリシャ・ローマ時代の彫像が並ぶ。ルネサンス期にはこれらの彫像が発掘され、当時の画家や彫刻家の手本とされた。
《レダと白鳥》はゼウスが白鳥に変身してレダを誘惑するという場面を描いたもの。こちらもレオナルドの絵は現存していないが、レダの巻き毛や身体の量感、背景の植物などにレオナルドらしさが感じられる。会場にはレダの身体や頭部を描いたレオナルドの素描も並ぶ。
レオナルド工房作《サルヴァトール・ムンディ(ガネー版)》。左手に水晶球を持ち、右手で祝福するポーズは508億円の《サルヴァドール・ムンディ》と共通する。左は袖の、右は胸元などの習作。
508億円という高額で落札されて話題になった《サルヴァトール・ムンディ》は今回残念ながら出品されていないが、極めてよく似た絵が並んでいる。当時の画家や彫刻家は注文主の意向に応じて制作しており、自らの表現として唯一無比のオリジナル作品をつくるという意識は薄かった。また人気のある作品は複数制作されることもよくあった。この「ガネー版」は、出品されなかった《サルヴァトール・ムンディ》の青い衣が赤くなっているほかは、左右の手の形などはそっくりだ。

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