空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

空前絶後のレオナルド・ダ・ヴィンチ展、ルーブルで開催中!

パリの〈ルーブル美術館〉で現在開催中の『レオナルド・ダ・ヴィンチ』展は没後500年を記念する大規模回顧展。同館が所蔵する5点の着彩画に加え、世界中の美術館から貴重な作品を集めて「万能の天才」の実像に迫ります!

《ラ・ベル・フェロニエール》モデルの左頬の下側に服の赤色が照り返しているのにも注目。レオナルドはこういった光学的な効果に興味を持っていた。
《ラ・ベル・フェロニエール》はレオナルドがミラノで仕えたルドヴィーコ・スフォルツァの愛人のひとりがモデルとされる一枚。何かに気づいて視線をこちらに向けたかのような動きを感じさせる。フェロニエールとは額の髪飾りのこと。唇の脇の筋肉のわずかな盛り上がりなど、後の《モナ・リザ》を予告するかのような傑作だ。
《岩窟の聖母》。右端の天使が意味ありげに左を指さす。
《岩窟の聖母》は聖書の外典(正式に採用されなかった文書)である『ヤコブの原福音書』に書かれている「イエスが洞窟で生まれた」という物語からとられたもの。聖母マリアと幼児キリスト、洗礼者ヨハネと天使が描かれている。が、リアリストであるレオナルドは光輪も描かず、右端の天使の羽もはっきりとは描いていない。この絵は礼拝堂の祭壇画として注文されたものだったが、構図など注文主の要望に応えていなかったため、トラブルとなった。
《聖アンナと聖母子》イエスを抱きかかえる聖母マリアと2人を見つめる聖アンナ。2人の視線にはいとおしさと同時に諦観のようなものも感じられる。
《聖アンナと聖母子》は《洗礼者ヨハネ》と同じ部屋に並ぶ。レオナルドの最晩年、悟りの境地に達したかのような凄みのある2枚だ。
《聖アンナと聖母子》素描。
《バーリントン・ハウス・カルトン》。こちらではイエスは幼児洗礼者ヨハネを祝福し、聖アンナの指は天を指している。
《聖アンナと聖母子》と《洗礼者ヨハネ》、《モナ・リザ》はレオナルドが最後まで持ち歩き、手を入れていた3枚だ。《聖アンナと聖母子》では聖母マリアの母である聖アンナの膝にマリアが座り、幼児イエスに手を伸ばす。イエスは犠牲の象徴である子羊と戯れている。マリアの優しげな微笑みは無邪気なイエスに向けられたものだが、後の運命を悟った諦めの笑みのようにも感じられる。この展覧会では《聖アンナと聖母子》の隣に《バーリントン・ハウス・カルトン》と呼ばれる似た構図のスケッチや、さらに小さな素描が並ぶ。
《洗礼者ヨハネ》。暗闇の中に浮かび上がる微笑は、《モナ・リザ》とはまた違う謎に満ちている。
《洗礼者ヨハネ》は、イエスに洗礼を授けた聖人であるヨハネを描いたもの。実質的な遺作にあたる作品だ。ヨハネは荒野で修行していたときの、十字架を持ち、毛皮をまとった姿で描かれている。が、この十字架も毛皮もわかりにくい。しかも男性であるはずなのに女性にも見える、中性的な表現がされている。これは当時広まった「ルネサンス・ネオ・プラトニズム」という思想に基づくもの。両性具有体こそが完全な人間である、という考え方だ。
『レオナルド・ダ・ヴィンチ展』はピラミッド下に設けられた特別会場で開かれているが、《モナ・リザ》だけは通常のイタリア絵画展示室に置かれている。

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