Chim↑Pom14年間の軌跡を収録した作品集から、代表作をおさらい! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

Chim↑Pom14年間の軌跡を収録した作品集から、代表作をおさらい!

ときにユーモラスに、ときに人を食ったような作品で、見えざる社会の矛盾や違和感を可視化してきたChim↑Pom。結成から14年間に渡る活動の歩みを全収録した作品集が発売された。

《BLACK OF DEATH》(2007年、2013年)。
《BLACK OF DEATH》(2007年、2013年)。
空のカラスに向けてカラスが仲間を呼び集める声をスピーカーで流し、カラスの剥製を見せながら車やバイクなどで移動するゲリラアクション。捕まった仲間を助けようとして集まるカラスの習性を利用し、たくさんのカラスを国会議事堂や渋谷の繁華街に集結させた。日本各地の街に生息するカラスはスーパーラットと同様に、駆除への抵抗と人間が出すゴミの栄養によって非常にクレバーに進化している。2013年には、福島の帰還困難区域で置き去りにされた家畜などを餌に増殖したカラスたちを、区域外まで導き出して再制作した。
《広島の空をピカッとさせる》(2009年)。
広島原爆ドームの上空に、飛行機雲で「ピカッ」という文字を描いた作品。広島の風景に漫画のひとコマのような擬態語を書き、ゆっくりと消えていく様子に記憶の風化を重ねることで、戦後日本の平和に対する現代的な歴史観を映し出した。発表翌日の地元紙がこの作品への批判記事を掲載すると、インターネット上ではこの作品についてのバッシングが続出。Chim↑Pomリーダーの卯城が「被爆者や遺族の方々への事前告知の不徹底」について謝罪会見を行い、予定されていた個展も自粛という形で中止になった。皮肉なことにChim↑Pomの知名度をもっとも高めた作品だ。その後、Chim↑Pomは被爆者団体と交流を開始し、評論家やアーティストらによる寄稿を掲載した書籍『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』を刊行。転んでもただでは起きないChim↑Pomを象徴する一連のアクションだ。

同書では、上記のほかの作品紹介はもちろん、会田誠や椹木野衣らによる寄稿も充実。セプテンバー・カウボーイの吉岡秀典が担当した表紙には、ワックスで紙を溶かす特殊な加工を用い、裏にプリントされているデザインを浮かび上がらせる手法が取られている。

収録されている作品のみならず、本そのもののアート性も高い一冊だ。

『We Don’t Know God: Chim↑Pom 2005–2019』
著者:Chim↑Pom
発行:ユナイテッドヴァガボンズ

5,500円。全国の主要書店、アートブック専門店、アマゾンなどで購入可能。国内の販売はトランスビューが販売代行。トランスビュー TEL 03 3664 7334。info@transview.co.jp

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