美しい自然を描き、不条理の正体を突く。ジョン・ルーリー9年ぶりの個展。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

美しい自然を描き、不条理の正体を突く。ジョン・ルーリー9年ぶりの個展。

俳優、ミュージシャンとしても知られるジョン・ルーリー。彼の個展が〈ワタリウム美術館〉で開催中だ。

ジョン・ルーリー《こちらへどうぞ》2014年
1952年、アメリカ・ミネアポリス生まれのジョン・ルーリー。1978年にギタリストのアート・リンゼイらとバンドを結成し、サックス奏者としてキャリアをスタートさせた。1984年には、ジム・ジャームッシュ監督の映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』で主役を務め、俳優としても注目を集めた。だが、彼は1990年代後半、ライム病という難病を患い、表舞台から姿を消す。闘病生活の中で、彼の心を救ったのは絵画だった。ただひたすらキャンバスに向きあい、制作に没頭。2006年にNYの〈P.S.1〉で展覧会を開くと、その独創的な筆致が話題となり、画家としてその名を広く知られることになった。
ジョン・ルーリー《お尻みたいな花を咲かせた木、また満開》2018年
今回の展覧会『Walk this way』では、生活の大半をカリブ海の島に暮らすルーリーが手がけた近作を披露する。植物や動物など自然が多く描かれた作品は、美しい色合いと詩的なタイトルが印象的で、独特の構図や技法にも目を奪われる。動物たちは弱々しくも見えるが、のびのびと自由な喜びを伝えているかのようだ。その一方で、作品には不条理に対する皮肉が込められているという。

会場には、ルーリーが率いるバンドのライブ映像を披露するコーナーもあり、ミュージシャンとしての彼の才能も垣間見ることができる。

ジョン・ルーリー展『Walk this way』

〈ワタリウム美術館〉
東京都渋谷区神宮前3-7-6。〜7月7日。11時〜19時(水曜は〜21時まで)。月曜休。 TEL 03-3402-3001。1000円。