サントリー美術館とnendoが初コラボ。日本美術の見方を変える?展覧会。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

サントリー美術館とnendoが初コラボ。日本美術の見方を変える?展覧会。

nendoの佐藤オオキが初めて企画・展示デザインを手がけた全く新しいアプローチの展覧会が始まっている。その名も『information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美』だ。

「この鳥は何だろう?」――答えは《色絵鶴香合》(野々村仁清作、江戸時代前期)だ。
乱反射する光? 実は《切子 蓋付三段重》(江戸時代後期~明治時代初期)にほどこされた「八角籠目文」という精緻なカットのシルエット。
「この鳥は何だろう?」――答えは《色絵鶴香合》(野々村仁清作、江戸時代前期)だ。
乱反射する光? 実は《切子 蓋付三段重》(江戸時代後期~明治時代初期)にほどこされた「八角籠目文」という精緻なカットのシルエット。
ドーナツ型の絵柄がトリックアートのように中央のミラー筒に集約し、バーチャルな立体が目の前に? 「information」のルートでは、これが《銹絵染付松樹文茶碗》(尾形乾山作、江戸時代中期)を示唆していたことがわかる。
現代のタバコの道具(左)とともに展示されている《菊蒔絵煙草盆》(江戸時代後期)。
ドーナツ型の絵柄がトリックアートのように中央のミラー筒に集約し、バーチャルな立体が目の前に? 「information」のルートでは、これが《銹絵染付松樹文茶碗》(尾形乾山作、江戸時代中期)を示唆していたことがわかる。
現代のタバコの道具(左)とともに展示されている《菊蒔絵煙草盆》(江戸時代後期)。
今度は、白い「information」ルートへ。ここでは一転して、作品の全貌が明らかになってくる。作品名はもちろん、その物の用途や技法、製作過程、文様の意味などを詳しく解説しているのだ。
「informaiton」のルートは、一転して白い展示空間。
たとえば《切子 蓋付三段重》の展示の向かいの壁には7種類の切子のカット面を図で紹介したり、《薄蝶螺鈿蒔絵香枕》の展示に対応して、螺鈿細工の製作方法や、香枕を当時の人がどのように使っていたのかをイラストに表したりしている。情報を読み解きながら目の前の美術品を理解し、感動を深めることができるというわけだ。
《薩摩切子 紅色被三段重》(明治時代初期)。
「inspiration」では、真っ赤な空間で作品の黒い部分が強調されて見える。
「information」では《朱漆塗瓶子》(室町時代)であることがわかり、根来塗の技法やその由来である和歌山県の根来寺、瓶子の用途などについて解説される。
「inspiration」では、真っ赤な空間で作品の黒い部分が強調されて見える。
「information」では《朱漆塗瓶子》(室町時代)であることがわかり、根来塗の技法やその由来である和歌山県の根来寺、瓶子の用途などについて解説される。
「ふだん僕が手がけるプロダクトデザインは、まず入り口はインスピレーションで、実際の製作はロジックを突き詰めていきます。『?』を『!』に変換させるようなことがデザインなのだと思います。今回初めて携わった美術館の企画と展示デザインに関しても、まさに同じこと。まずは情報なしに館蔵品カタログを全部見て、その中から直感で作品を選び、その時の僕の感動をどう伝えようかと見せ方を考えました。皆さんにも予備知識なしで作品を見てもらい、たくさんのクエスチョンを頭に溜め込んで、後で答え合わせをするような体験を、感覚をフル活用して味わってもらえたら嬉しいです。もちろんその逆もアリで、知識を得てからあらためて感覚を働かせるのも楽しいでしょう」(佐藤オオキ)