ナゾめいた《鳥獣戯画》全4巻を見に行こう!|ニッポンのお宝、お蔵出し | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ナゾめいた《鳥獣戯画》全4巻を見に行こう!|ニッポンのお宝、お蔵出し

擬人化された動物たちが縦横無尽に動き回る《鳥獣戯画》。その甲乙丙丁の全4巻が大阪で展示されています。ナゾも多いけれどやっぱりかわいい絵巻の見どころを紹介します!

《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。猿たちが祭りの山車に見立てた荷車を引いている。前方では扇子を手に踊る猿や頭に葉をかぶった蛙の姿も。高山寺所蔵。展示期間は後期4月16日〜5月6日まで。
《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。
《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。
《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。猿たちが祭りの山車に見立てた荷車を引いている。前方では扇子を手に踊る猿や頭に葉をかぶった蛙の姿も。高山寺所蔵。展示期間は後期4月16日〜5月6日まで。
《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。
《鳥獣戯画 丙巻》鎌倉時代、13世紀。
丙巻は前半が人物戯画、後半が動物戯画となっている。2009年から行われた解体修理により、もともとは一枚の紙の裏表に描かれていたものが後に2枚に剥がされて1つの巻物に仕立てられたことがわかった。人物戯画のほうには双六や将棋、耳引き・首引き(耳や首に紐をひっかけて引き合う)といった遊びに興じる人々が描かれる。動物戯画のほうは山車に見立てた荷車を猿たちがひいていく祭りや蛙と猿の蹴鞠、蛇に追われて逃げる蛙などが描かれる。

丁巻は人物が主体だ。曲芸や法会、流鏑馬、田楽、毬打というホッケーのような競技、大木を運ぶ木遣りなど、甲巻の動物の行いを人間がなぞるような形で描かれる。木遣りの綱が切れたのかひっくり返る人々や牛車の牛が暴れ出して大騒ぎする人々の姿も。これまでの動物などの描き方とは違って、かなりのスピードでささっと描いたような筆致だが、逆にそれが技量を感じさせる。
《夢記》鎌倉時代、13世紀。村山コレクション。全期間展示。
この展覧会では鳥獣戯画が伝えられた高山寺の開祖、明恵(みょうえ)上人にもスポットをあてる。「夢記(ゆめのき)」は明恵が見た夢の記録。40年にもわたって綴られている。春日明神の像を手に入れる夢、頭髪が篠竹のように生える夢、大河が逆流し、動物や聖獣が逃げ出す夢などが書かれている。仏が姿を現したり、お経を伝授されるといった夢も。彼は夢を「仏の導きの現れ」とも考えていたようだ。
《子犬》鎌倉時代、13世紀。高山寺蔵。首をかしげて座る愛らしい子犬の像は、快慶またはその子、湛慶の作と考えられている。全期間展示。
《神鹿》鎌倉時代、13世紀。高山寺蔵。雌雄一対の鹿の像。明恵上人が春日明神に参詣した際、東大寺の鹿三十頭ほどが膝を折って臥したという伝説がある。全期間展示。
《子犬》鎌倉時代、13世紀。高山寺蔵。首をかしげて座る愛らしい子犬の像は、快慶またはその子、湛慶の作と考えられている。全期間展示。
《神鹿》鎌倉時代、13世紀。高山寺蔵。雌雄一対の鹿の像。明恵上人が春日明神に参詣した際、東大寺の鹿三十頭ほどが膝を折って臥したという伝説がある。全期間展示。
また、彼の夢にはたびたび子犬が登場したという。首をかしげた愛らしい子犬の像は明恵が手元において撫でていたのか、彩色が剥落している。さまざまな動物への愛情が感じられる《鳥獣戯画》とともに鑑賞できる展覧会だ。

特別展 「明恵の夢と高山寺」

〈中之島香雪美術館〉大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト 4階。〜5月6日(前期は4月14日まで。後期は4月16日~5月6日)。月曜休(4月29日、5月6日は開館)。10時〜17時。TEL 06 6210 3766。

青野尚子

あおの なおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に「新・美術空間散歩」(日東書院本社)。西山芳一写真集「Under Construction」(マガジンハウス)などの編集を担当。