《大地の芸術祭2015》夏の里山でアートと遊び、食を味わう。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

《大地の芸術祭2015》夏の里山でアートと遊び、食を味わう。

2000年から3年おきに開かれている『大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2015』。第6回目になる今回はこれまでの作品約200点に、新作約180点が加わり、さらににぎやかに。アートを通じて里山と、その恵みであるおいしい食を堪能できるイベントの見どころを紹介します。

磯部行久《土石流のモニュメント》
磯部行久の作品は、砂防ダムの周囲に作られたランド・アート。2011年3月12日に起きた長野北部地震によって津南地区では大規模な土砂崩れが発生。流れ出た大量の土砂は周囲の国道も埋めてしまった。
磯部行久《土石流のモニュメント》
被災後、再発を防ぐため「セル式砂防ダム」の建設が始まった。鋼製の円柱の中に流れ出た土砂を詰め込み、その重さによって将来起こりうる土石流をせき止めようというものだ。締め固めた土はコンクリートよりも耐久性があり、いずれは大地に還っていく。茶色の巨大な円筒形が砂防ダムだ。このダムの周囲に立つ黄色いポールがアーティスト、磯部行久の作品になる。2011年の土石流が押し寄せた先端を示している。自然の脅威と、その中でともに生きていこうとする人間の営為を感じさせる。

ちなみにダムの工事はまだ続行中。施工担当者は冗談めかして「ダム工事に芸術祭が割り込んできたかのようです」と言いながらもなぜか誇らしげだ。
夜にはライトアップされる。
こうしてたびたび豪雪や水害に見舞われるこの地域で暮らしていくのは並大抵のことではないが、近代以降、人々はさまざまな土木技術を駆使して農作物を植え、災害から身を守ってきた。「大地の芸術祭」では砂防ダムやトンネル、スノーシェッド(道路の雪囲い)などこれらの土木構築物を活用したアート作品も展示されている。パフォーマンスが行われることも。アートとはまた違う構造美を見せる土木独特の迫力を味わうのも面白い。