「生きているファブリック」に迫る展覧会。 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

「生きているファブリック」に迫る展覧会。

増殖し、自ら成長する素材や、最新のバイオテクノロジーを使った新分野の作品を集めた『生きているファブリック展』。世界中の約50人のクリエイターが現代のクリエーションの行方を探るポンピドゥーセンターの意欲展だ。

(c) Amy Karle, 2016. All rights reserved. (c) Conceptual Art Technologies, 2016. All rights reserved.
世界中のクリエイターが新時代のクリエーション挑む『生きているファブリック展』がポンピドゥーセンターで始まった。本展では、最新の科学技術によって可能になった「生命」と「非生命」の中間に位置するクリエーションを“ 生きているファブリック”と称して、この新分野の作品を紹介する。

農業や食品分野で急速に普及するバイオテクノロジーの是非を問うアーティスト、プラスチックに変わるエコロジックな新素材を研究するデザインチーム、自ら増殖・成長し続けるバイオマテリアルに注目し、新しい建築やオブジェの可能性を追求する建築家やデザイナーなど、作品の分野は多岐にわたる。

たとえば、キノコ菌糸でつくられた煉瓦が集合、接着し、成長を続けるデヴィッド・ベンジャミンが製作した空間《ザ・リビング》では、微生物が形作り、構築し続ける建造物を展示することで、有機的に変容を遂げる新しい建物の可能性を提示する。

他にも、有機素材と工業製品を組み合わせたハイブリッドなアート作品や、溶液の中で鉱物が自家生成し、椅子を形成する吉岡徳仁の作品など、100余りの作品を展示。

時に形を変えて増殖し、時に生体分解の可能性も秘めた“ 生きているファブリック”を通して、建築やデザイン、アートの未来を探る。現在進行形のクリエーションに触れるまたとない機会だ。
(c) Masaya Yoshimura
吉岡徳仁《ヴィーナス 結晶の椅子》2008年-2012年。液体の中でクリスタルの結晶を成長させ、次第に姿を表す椅子。自然の原理を利用した新しいデザインの挑戦だ。
(c) Masaya Yoshimura 吉岡徳仁《ヴィーナス 結晶の椅子》2008年-2012年。液体の中でクリスタルの結晶を成長させ、次第に姿を表す椅子。自然の原理を利用した新しいデザインの挑戦だ。
(c) Mike Roelofs
スタジオ・クラレンビーク&ドロス《Mycelium chaire》2012-2018年。生きたキノコの菌糸体の3Dプリントに初めて成功したオランダ人デザイナー、クラレンビークとドロスによる椅子。プラスチックに代わる有機的な素材の探求をエンジニア、建築家、職人らと共に探求する異色のデザイン事務所。
(c) Mike Roelofs スタジオ・クラレンビーク&ドロス《Mycelium chaire》2012-2018年。生きたキノコの菌糸体の3Dプリントに初めて成功したオランダ人デザイナー、クラレンビークとドロスによる椅子。プラスチックに代わる有機的な素材の探求をエンジニア、建築家、職人らと共に探求する異色のデザイン事務所。
(c) Miha Fras, 2011 Kapelica Gallery, Ljubljana, Slovenia
アリソン・クドラ《Capacity for Urban Eden, Human Error》2010年。世界的に現在急速に推し進められるエコロジー新技術〈バイオコンピューテング〉への警戒を込めた作品。藻類と種子のバイオプリント。

『生きているファブリック展』

〈ポンピドゥーセンター〉
Place Georges Pompidou 75004 Paris。~4月15日。11時~21時(木~23時)。火曜休。入館料:14ユーロ。