〈RCRアーキテクツ〉の個展が開催中、夢の「ラ・ヴィラ」とは? | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

〈RCRアーキテクツ〉の個展が開催中、夢の「ラ・ヴィラ」とは?

2017年にプリツカー賞を受賞し、一躍時の人となった〈RCRアーキテクツ〉。それまでは知る人ぞ知る存在だったけれど、独特の詩的な建築にみんな惹きつけられてしまいました。〈TOTOギャラリー・間〉で開かれている個展では、模型だけでなく絵や不思議な曼荼羅のようなものが並びます。彼らが何を作ろうとしているのか、来日したカルマ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタに聞きました。

〈紙のパヴィリオン〉完成予想図。緑の中にそっと置かれた小さな箱のよう。
〈紙のパヴィリオン〉模型。屋根の中央に、内側を金色に塗った穴が開いている。
〈紙のパヴィリオン〉完成予想図。緑の中にそっと置かれた小さな箱のよう。
〈紙のパヴィリオン〉模型。屋根の中央に、内側を金色に塗った穴が開いている。
「ラ・ヴィラ」では既にあるものの良さを活かしながらも、新しく建物を建てることも考えている。その一つが奈良の吉野杉で作る〈紙のパヴィリオン〉だ。会場にはその一部が実際に建てられている。ここで使われている部材は展覧会終了後、「ラ・ヴィラ」に運ばれて他の部材と一緒に組み立てられる。現地には吉野の職人が出向いて、スペインの職人と一緒に施工する予定だ。会場に建てられた〈紙のパヴィリオン〉には杉のいい香りが漂う。触ってみるとどこまでもなめらかなのに驚かされる。
〈紙のパヴィリオン〉部分。実際に使用する部材を吉野の人々の協力のもと、組み立てた。
〈紙のパヴィリオン〉部分。展覧会終了後は「ラ・ヴィラ」への移設が予定されている。
〈紙のパヴィリオン〉部分。実際に使用する部材を吉野の人々の協力のもと、組み立てた。
〈紙のパヴィリオン〉部分。展覧会終了後は「ラ・ヴィラ」への移設が予定されている。
「吉野には私たちの長年の友人であり、作品写真を撮ってくれている鈴木久雄さんに連れて行ってもらったんです。吉野では特に森が気に入りました。『ラ・ヴィラ』の森ととてもよく似てるんです」
吉野の製材所を訪れたRCRアーキテクツのメンバー。会場で上映されている映像作品『吉野の森 ラ・ヴィラの森』(制作:鈴木久雄、ジュリア・デ・バイェ)より。
〈紙のパヴィリオン〉は吉野杉のほかに吉野で漉いた和紙も使うことからこの名をつけた。ガラスの間に和紙を挟んで屋根や壁にする。和紙を通じて柔らかい光が室内に入る。

「紙は木で作られる、もっともはかない素材」だと彼らは言う。
吉野の「福西和紙本舗」の工房にて。展示に使用されている和紙もここで手漉きされたもの。会場で上映されている映像作品『吉野の森 ラ・ヴィラの森』(制作:鈴木久雄、ジュリア・デ・バイェ)より。
〈紙のパヴィリオン〉には天窓が開いていて、中が金色に塗られている。

「天窓にはガラスなどははめないので、光も雨も入ってきます。光は金色に塗った内部で反射してより輝くはず。この下に吉野杉の苗木を植えて、育ったら近くの森に移植しようと思っています。保育器のように森を育てる、シンボリックな建物です。人が木に触れて、瞑想するようなスペースにしたい」
〈紙のパビリオン〉模型。屋根や壁の和紙から光が入る。
〈紙のパヴィリオン〉天井にはRCRアーキテクツが考える“宇宙観”を現したダイヤグラム(左)が描かれる。パヴィリオンの中から見上げると、この図が見える仕組みだ。
〈紙のパビリオン〉模型。屋根や壁の和紙から光が入る。
〈紙のパヴィリオン〉天井にはRCRアーキテクツが考える“宇宙観”を現したダイヤグラム(左)が描かれる。パヴィリオンの中から見上げると、この図が見える仕組みだ。
この他にも自然の中で眠るカプセル〈空気の間〉、穴から光が差し込む地下の教会のようなスペースで入浴もできる〈土の間〉などを考えているという。木や土、空や水のすぐ近くで眠り、食べ、話し、瞑想することで、都会にいるのとはまったく違う刺激を受けることになるはずだ。