上質な時間に寄り添うノーブルなトイレ。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

上質な時間に寄り添うノーブルなトイレ。

『カーサ ブルータス』2019年2月号より

豊かな時間を過ごすためのゲストハウス〈鎌倉はなれ〉。日本家屋の美しい陰影を生かしたその空間に選ばれたのは、〈INAX〉の黒いタンクレストイレ《SATIS》でした。

過ごす時間の流れを”途切れさせない”デザイン。

〈鎌倉はなれ〉の縁側で。「深い軒の下で庭を眺める。都心では味わえない心地よさ」(浅本)。「ここで過ごした時間や体験が、その人の日常を少し豊かにするといいなと思っています」(吉田)
吉田 愛(SUPPOSE DESIGN OFFICE主宰)よしだあい 1974年広島県生まれ。東京と広島を拠点とした設計事務所〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉を谷尻誠とともに共同主宰し、住宅や店舗、ホテルなどを手がける。新作に〈猿田彦珈琲 調布焙煎ホール〉〈hotel koe tokyo〉〈12shinjuku〉〈池上線五反田高架下〉など。
浅本 充(フードディレクター/ユニテ代表)あさもとまこと 1978年兵庫県生まれ。2009年、ユニテを設立し〈自由が丘ベイクショップ〉をディレクション。仏や米での海外経験を生かしたライフスタイルや食の提案を行う。企業の飲食部門のコンサルティングや、飲食店の開業サポートなど食に関わる分野を幅広く手がける。
〈鎌倉はなれ〉の縁側で。「深い軒の下で庭を眺める。都心では味わえない心地よさ」(浅本)。「ここで過ごした時間や体験が、その人の日常を少し豊かにするといいなと思っています」(吉田)
吉田 愛(SUPPOSE DESIGN OFFICE主宰)よしだあい 1974年広島県生まれ。東京と広島を拠点とした設計事務所〈SUPPOSE DESIGN OFFICE〉を谷尻誠とともに共同主宰し、住宅や店舗、ホテルなどを手がける。新作に〈猿田彦珈琲 調布焙煎ホール〉〈hotel koe tokyo〉〈12shinjuku〉〈池上線五反田高架下〉など。
浅本 充(フードディレクター/ユニテ代表)あさもとまこと 1978年兵庫県生まれ。2009年、ユニテを設立し〈自由が丘ベイクショップ〉をディレクション。仏や米での海外経験を生かしたライフスタイルや食の提案を行う。企業の飲食部門のコンサルティングや、飲食店の開業サポートなど食に関わる分野を幅広く手がける。
ゲストハウス〈鎌倉はなれ〉は、空間設計をSUPPOSE DESIGN OFFICEが手がけ、食のアドバイザーを浅本充が担当したプロジェクト。最近はホテルやカフェなどの物件を協働して進めることも増えてきたという両者に、ゲストハウスのコンセプトでもある「豊かな時間をつくるデザイン」について語ってもらった。

吉田愛 初めてこの場所を見に来たのは2017年の夏。縁側があって圧倒的な緑があって庭では蝉が鳴いていて、夏休みのおばあちゃんの家のようだと思いました。昔の家って中が薄暗くて外が明るく見えるでしょう? ゲストハウスをつくるなら、この暗さや静けさを感じてもらうことが、いちばんの贅沢だと思ったんです。

浅本充 「ただ泊まるだけじゃなく、ここでしか味わえない空気感や過ごし方を体感できる場所にしたい」と話しましたよね。

吉田 例えば、木製サッシの窓を残したのは、見た目のよさもありますが、ゆらぎのある古いガラスを通して見る景色が、都会のマンションから見る景色とはまったく違うものだから。

浅本 土間みたいなモルタルの床も、鎌倉の朝市で泥付き野菜を買ってきたり、庭で燻製をつくったりする過ごし方に合うと思う。

吉田 そうですよね。ちなみにモルタルの色は、外光が入ってきた時に陰影がいかにきれいに見えるかを考えて選びました。インテリアを設計するというより、時間のうつろいや外の景色を引き立てるためのデザインです。

浅本 なるほど。実は食まわりのデザインもまったく同じ。景色や時間と同様に、「食」もこのゲストハウスをつくる要素のひとつだと思っているんです。冬場なら、鎌倉の駅を出て、山間の肌寒い空気を感じながら小路を歩き、昔の建物の雰囲気が残る空間で、地元の食材を使った料理を食べる。そういうストーリーごと味わえるように、食をデザインしたい。

吉田 「食をデザインする」というのはどういうことですか?

浅本 ひとつは、空間としてカッコいいだけじゃなく、動く人が美しく見える動線や使い勝手を考えること。「使われているさま」が美しくあってこその機能美だと思うので。もうひとつは、そこで過ごす時間が途切れないこと。いいカフェやレストランって、エントランスから会計を済ませて外に出るまで、空間や料理やお皿やサービスがつくるストーリーが一度も途切れないんです。僕にとっては、豪華な料理よりもその心地よさのほうが強く印象に残る。

吉田 「途切れる」という感覚、よくわかります。どんなに雰囲気のいいレストランでも、トイレやエレベーターがむやみに明るかったりすると一気に醒めますよね。

浅本 食事中にトイレに立つことって多々あるものですが、そのたびに景色が途切れたり物語が切れたりしたらダメだと思うんです。切れた時点でまた仕切り直しになるから。トイレはストーリーを途切れさせる場所ではなく、溶け込む場所であってほしい。

吉田 〈鎌倉はなれ〉のトイレはまさにそういう視点で選んだデザインです。〈INAX〉のタンクレストイレ《サティス》Gタイプのノーブルブラックを使っているのですが、陰影を大切にした空間の延長上に違和感なくおさまっている。黒という色もマットな素材感も気に入っています。
ノーブルブラック
ノーブルトープ
ノーブルブラック
ノーブルトープ
今までにないトイレ空間を演出。

「今回選んだ黒は、陰影のある空間になじむしっとりした雰囲気が魅力。この上質な色と心地いい素材感は、ゲストハウスで過ごす時間の充実度を深めると思います。エレガントで優しい印象のトープ色も新鮮ですね」(吉田)

「黒もトープも、特殊な釉薬を重ね塗りして手作業で仕上げているそうですよ。僕も飲食店のトイレをプランニングすることがありますが、こういう色のトイレがあれば、空間の景色のつくり方が大きく変わりますね」(浅本)

《サティスGタイプ・ノーブルレーベル》
快適で美しい空間をつくる高機能タンクレストイレ。臭いや水アカの付着を防ぎ、清潔な状態が100年続く新素材「アクアセラミック」を標準採用。存在感のあるノーブルブラックとモードな雰囲気のノーブルトープはともに397,000円~。
浅本 僕は今まで「トイレ=白」と思い込んでいて……。場合によっては白いトイレが、気持ちを現実に引き戻すこともありますよね。今回初めて黒いトイレを見て、色、温度感、肌触りのすべてが、ここで過ごす時間に美しく溶け込んでいることに驚きました。

吉田 そう。色だけでなく、音や光や肌触りのような「形のないもの」のデザインも大切なんです。ベッド周りの照明、水栓金具を締める時の音、もちろんトイレに座った時の質感も。そこを丁寧に設計することが、感情レベルの心地よさに直結するから。

浅本 ところで、黒のほかにトープ色もあるんですね。黒やトープの便器を使えるなら、トイレのデザインももっと楽しくなりそう。

吉田 壁の色や照明とのコーディネート次第で、白ではできなかったシックな空間もつくれるし、腰壁で仕切って上半分をガラスにするのもありかな……。隠さなくていい存在になる気がします。

浅本 よく考えたら、短くない時間を過ごす大切な場所ですし。

吉田 本や漫画を置く人も多い。

浅本 僕は昔、フランス語を覚えるために仏単語を貼ってました。まさに書斎ですよね。いっそのこと、「LDK」の次に「T」と表記されるようになってほしいな。

吉田 「この物件、1LDKTです」って(笑)。確かに、部屋として認識されるようになったら、デザインの可能性も広がりますね。

問合せ/LIXILお客さま相談センター TEL 0120 179 400。