台湾三都市 台中―高雄―台北 伊東豊雄建築を巡る旅。 | ページ 4 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

台湾三都市 台中―高雄―台北 伊東豊雄建築を巡る旅。

現代建築の巨匠・伊東豊雄が台湾で多数のプロジェクトを手がけていることを知っていますか? 今回は、そんな伊東建築巡りを目的に、台中、高雄、台北の三都市ツアーへ出かけました。

DAY3 台北 伊東豊雄の建築を巡れば、台北の最新文化がわかる!?

牡丹を思わせるうずまき模様を描く広場。国際会議場や展示施設、トレードセンター、ホテルの4つの建物からの眺めもよい。

WORLD TRADE CENTER SQUARE〈台北世界貿易センター広場〉 DATA:2011年竣工。国際会議や展示会、コンサートなどが開催されるコンベンション施設〈台北世界貿易センター〉の広場。出勤時間、昼休み、退勤時間の1日3回、各1時間出る噴水が人々を和ませる。通りの近くにあるベンチも伊東豊雄による設計、敷地に面した4つの建物のうち最も高層のビル、〈国貿ビル〉のエントランスの庇も伊東がデザイン監修している。●台北市信義區基隆路一段333號 TEL 886 2 2725 5200。
台北駅に到着すると、自撮りカメラの広告ポスターの背景に〈台中国立歌劇院〉が使われているのを発見! この建物の存在、台北でもかなり浸透しているようだ。その人気を裏づけるかのように、台北市内に伊東豊雄設計の作品はすでに3つあり、いずれも台湾の文化発信を担う、重要な拠点ばかりだ。

最初に訪れたのは〈台北世界貿易センター広場〉。伊東が台湾を代表する大型コンベンションセンターにデザインしたのは、建築ではなく庭。芝生と石、水で描かれたうずまき模様は、自然界に存在するアルゴリズムから導かれたものだという。〈台北101〉などが周囲に建ち並ぶ新興のビジネスエリアを、花びらを思わせるパターンが程よくゆるませている。
〈台湾大学社会科学部棟〉のライブラリー。柱と屋根、ブックシェルフは、3つの中心から広がる蓮の花のパターンによって配置が決められている。
2件目は台湾の最高学府、台湾大学へ。日本統治時代の1928年にできた台北帝国大学が前身で、当時の面影を残すレンガ造りの建物やヤシ並木のプロムナードが有名だ。だが伊東が設計した〈台湾大学社会科学部棟〉がつくり出す風景は、その伝統を一新するもの。大学にとってこの社会科学部棟の新築移転は、20年ほど前から何度も頓挫しながら計画が重ねられた革新的なプロジェクト。建設費を寄付金で補い、ようやく実現にこぎつけた施設だ。トレードマークは建物南側にあるライブラリーの、白い列柱と蓮の葉を思わせる屋根。約50m四方のライブラリーはガラス張りで、屋根の隙間から自然光がやわらかく降り注ぐ。そこに林立する細い柱とウェーブする書架が、迷路のような場をつくる。閲覧スペースや視聴覚スペースが点在し、外周にはぐるりと電源つきのカウンターが配置されている。家具デザインは藤江和子が手がけており、竹製の椅子や、座面が湾曲する大きなベンチなど、いずれもこの場所のためのオリジナル。この贅沢なライブラリー、台湾大学の学生なら誰でも使えるとあって、いつも満席だそうだ。
National Taiwan University〈台湾大学社会科学部棟〉 DATA:2013年竣工。台湾大学の北門近くにある建物。教室や会議室などが入る8階建ての校舎と低層の図書館棟からなる。ライブラリー周辺のランドスケープも伊東が手がけている。図書館は開館中、18歳以上の者は受付で身分証を提示すれば内部見学可能。5〜30人の見学はツアー制で、ウェブサイトを通じて要事前申請。●台北市大安區羅斯福路四段一號 TEL 886 2 3366 8300。公式サイト