西沢立衛が映画で読み解く、建築家としてのアイリーン・グレイ。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

西沢立衛が映画で読み解く、建築家としてのアイリーン・グレイ。

『カーサ ブルータス』2017年11月号より

ル・コルビュジエがその才能に嫉妬したともいわれる、同時代の女性デザイナーを描いたドラマを、西沢立衛が語る。

野心にあふれ、どこか気難しさのある建築家として描かれたル・コルビュジエ。(c)Julian Lennon 2014. All rights reserved. (c)2014 EG Film Productions / Saga Film
美しく気高い女性として描かれたアイリーン・グレイ。
家具の一つ一つに至るまで丁寧につくられた〈E.1027〉。
〈E.1027〉を見たコルビュジエは、グレイの才能に嫉妬したとも言われる。38年〈E.1027〉に長く逗留した彼は、この家に大胆にも壁画を描いてしまうのだ。この行為がもととなり、〈E.1027〉をコルビュジエの作品と勘違いする向きもあったとも言われるが、「グレイとコルビュジエの建築の違いは一目瞭然。それはなかったんじゃないかな」と西沢さんは話す。

「才能の面で言うとコルビュジエはやはり段違いですが、野蛮なコルビュジエ作品に対し、グレイの作品はとても洗練されていて都会的というか、エレガントですね」

映画では実際に〈E.1027〉でロケを行っていて、この秀作の様子を垣間見ることができる。チェア《ビバンダム》や、ベッドで食事や読書ができるよう、テーブルの高さが調節できる《アジャスタブル・テーブル》など、グレイを有名にした家具の数々もここから生まれているというから、画面のなかにそれらを探すのも楽しい。

「モダニズム建築は、理論通りにつくると、大抵の場合、個性がなくなってしまうもの。そこできちんと個性を発揮できた彼女の才能に着目するいい機会ですね」

『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』

10月14日よりBunkamuraル・シネマほかで全国順次公開中。監督:メアリー・マクガキアン。出演:オーラ・ブラディほか。

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