〈光の教会〉を国立新美術館に増築!? 型破りの安藤忠雄展をリポート。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

〈光の教会〉を国立新美術館に増築!? 型破りの安藤忠雄展をリポート。

建築家・安藤忠雄の半世紀に渡る仕事を俯瞰する『安藤忠雄展-挑戦-』が国立新美術館でスタートした。代表作〈光の教会〉を美術館の敷地に1/1のサイズで再現する、前代未聞のプロジェクトも実現! 心と体でANDO建築を感じられる展覧会、その見どころをレポートします。

直島の9つのプロジェクトを紹介する幻想的なインスタレーション。流れる映像から瀬戸内の空気を感じられる。木材チップを積み上げた模型は学生たちが現場で作り上げたもの。
セクションごとに展開される、ANDO建築を知るキーワード。

野外展示室から館内に戻ると、大型模型やインスタレーションで構成された大展示室が現れる。セクション3のコーナーでは「余白の空間」をテーマに〈表参道ヒルズ〉や〈上海保利大劇院〉などの都市建築を紹介。セクション4では「場所を読む」をテーマに30年に及ぶ直島の一連のプロジェクトが空間インスタレーションとして展示されている。
イタリア・ヴェネチアに2009年に完成した〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型。歴史的建造物の再生によって過去と未来を繋ごうとする安藤の試みが形になった。
〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型(部分)。ジェフ・クーンズの作品《Ballon Dog》まで模型に!
〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型(部分)。
イタリア・ヴェネチアに2009年に完成した〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型。歴史的建造物の再生によって過去と未来を繋ごうとする安藤の試みが形になった。
〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型(部分)。ジェフ・クーンズの作品《Ballon Dog》まで模型に!
〈プンタ・デラ・ドガーナ〉の模型(部分)。
続くセクション5にはヴェネチアの〈プンタ・デラ・ドガーナ〉や2019年に完成予定の最新プロジェクト、パリの〈ブルス・ドゥ・コメルス〉の巨大木造模型が。このセクションのテーマは「あるものを生かしてないものをつくる」。〈ブルス・ドゥ・コメルス〉のプロジェクトでは、麦の卸市場だった歴史的建造物の内部に、入れ子状にコンクリート造の円筒をつくり、現代アートの美術館をつくるという。ANDO建築の根底にある考えが、セクションごとに紐解かれていく構成だ。
〈プンタ・デラ・ドガーナ〉 © Palazzo Grassi SpA. Foto: ORCH, orsenigo_chemollo
2014年に中国・上海に完成した〈上海保利大劇院〉の模型(部分)。
2014年に完成した〈上海保利大劇院〉。
2014年に中国・上海に完成した〈上海保利大劇院〉の模型(部分)。
2014年に完成した〈上海保利大劇院〉。
展示を締めくくるのは、安藤が長年続けてきた植樹プロジェクトや環境再生運動などの社会活動。そのセクションに流れる映像なのかで安藤は「産んだら、育てる」と語っている。建てて終わりではない安藤のプロジェクトは、そのすべてが現在進行形と言えるのかもしれない。

現在、安藤はパリの〈ブルス・ドゥ・コメルス〉をはじめ、世界各地に進行中のプロジェクトを抱えている。建築に、社会に、挑戦し続けるこれからの安藤忠雄を追いかけるためにも、確と目にしておきたい展覧会だ。
2019年初春の完成を目指してプロジェクトが進行中の〈ブルス・ドゥ・コメルス〉。巨大な模型からプロジェクトの壮大さが伝わってくる。
(左から安藤忠雄、細川護煕)内覧会当日には多数の著名人がゲストとして訪れた。

『安藤忠雄展—挑戦—』

〈国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場〉 

東京都港区六本木7-22-2
 TEL 03 5777 8600。〜12月18日。火曜休。10時〜18時(金・土〜20時)。入館は閉館の30分前まで。9月30日、10月1日は〜22時。一般1500円。