村野藤吾の幻の”猫耳工場”へ、潜入! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

村野藤吾の幻の”猫耳工場”へ、潜入!

九州の八幡製鉄所で発見された、村野藤吾が76年前に設計した工場。村野研究で知られる笠原一人さんと、早速、現地に行ってきました!

建設中のロール加工工場。開口部が今より多く、より明るく設計されたことが窺える。 新日鐵住金株式会社 八幡製鐵所所蔵
さてここまでは笠原さんが図面から読み取った分析である。実際に訪問するのは今回が初。きっと新発見があるはずだ。早速工場の内部へと潜入してみよう。

内部では、直径1メートル前後あろうかという円柱状の金属の塊が機械で削られている。これらは「ロール」といって厚板やH形鋼といった鋼材を生産する機械の一部だそう。この建物ではロール製造の仕上げを担う。工場は24時間稼働。できてから76年もの間、ほぼ休みなく動きつづけているという。

「つくられているものがH形鋼のような普遍的な建築材料の源となっていることも面白い」と笠原さんも興味深そうに観察する。
隣の棟との高さのズレで作業性や採光がアップ!
さて目的は建物の上半分にある。まずは棟の高さのズレに着目。

「クレーンを渡している梁の脇にメンテナンス用の足場があります。棟や梁の高さがズレていることで、その足場の周辺に作業しやすいゆとりが確保されていますね」

笠原さんの事前の読み通り、棟の高さのズレには機能的な意味があったようだ。つづいて笠原さんが注目したのは最も低い北側の棟。

「この棟、明るく感じませんか?」

確かに窓や照明が近く、製品の輝きも一層増してみえる。笠原さんはこう推理する。

「棟をあえて低く抑え、自然光や人工照明の光を手元まで届きやすくしているのではないでしょうか」
見よ、この見事な骨組み! 棟ごとに棟や梁の高さをずらし、採光用の窓や梁上のクレーンのメンテ用スペースを確保。加工に必要な明るさや作業性も重視。
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