19世紀に閉山した錫鉱山をズントー建築が掘り起こす。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

19世紀に閉山した錫鉱山をズントー建築が掘り起こす。

ノルウェーの錫鉱山跡に姿を現したズントーの新作。土地の歴史を掘り起こして弔う、巨匠ならではの感動作。

カフェ外観。黒い箱を木の枠組みが支える。
取材を進めていると、ズントー本人が視察に姿を現した。担当者たちと細かく調整を進めている。すると突然「君、そこに立って」と声がかかる。外に設置するテーブルの位置を決めるため、人柱役を仰せつかった。これから建てる設備の仮設模型では、現場の棟梁から「場所がよくない」との意見が出る。しばし周囲を見て回った後「その通りだ」と棟梁を讃えるシーンもあった。「その土地が持つ声に耳を澄ませ、前からあったものを掘り出すようにデザインをする」という工程を垣間見る思いがした。その工程はスローだが、待ち続け、遠路足を運ぶのがズントー建築の醍醐味というものだ。

視察中のズントーに密着取材!

これから建てる施設の実物大模型前で打ち合わせをするズントー。

ピーター・ズントー

1943年生まれ。スイス人建築家。代表作に〈テルメ・ヴァルス〉〈ブレゲンツ現代美術館〉〈コロンバ美術館〉など。高松宮殿下記念世界文化賞、プリツカー賞、英国王立建築家協会賞などの受賞歴がある。

〈Allmannajuvet Sinkgruver〉

アルマナユヴァ錫鉱山 カフェとギャラリーは冬季閉鎖中。来春には鉱山跡トレイルも開始予定。
Sauda, Ryfylke。Saudaより国道520を東に9km。公式サイト