青野尚子の「今週末見るべきアート」|土木と遊ぶ!『土木展』 | ページ 3 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青野尚子の「今週末見るべきアート」|土木と遊ぶ!『土木展』

〈21_21 DESIGN SIGHT〉でこれまでにないストレートなタイトルの展覧会が始まりました。その名も『土木展』。マニアでなくても土木の面白さに引き込まれる、土木で遊べる展覧会です。

設計領域《人孔(ひとあな)》。本物のマンホールを、本物のアスファルトで作った道路の下に埋設している。中に入って地下に張り巡らされたインフラを整備する人の気持ちを味わおう。
一番大きなギャラリー2は“土木で遊ぶ”スペース。ディレクターの西村浩は土木の展覧会をやることになったとき、土木をそのまま見せる展覧会にはしたくない、と思ったという。そのかわりに「ほる」「つむ」「ためる」など土木に関する行為を見せたり、体験したりしてもらうことにした。
桐山孝司・桒原寿行《ダイダラの砂場》。砂遊びで地形を変えるとその通りに等高線が出現する。
たとえば桐山孝司と桒原寿行の《ダイダラの砂場》は手で砂を掘ったり積み上げたりすると低いところに水がたまったり、等高線が出る“砂場”。砂遊びがそのままミニ土木工事体験になる。こっちを掘れば水がそちらへ流れていくはず、などと予想しながら“工事”してその通りになると妙にうれしい。
アーチ構造が作れる403architecture [dajiba]の《ライト・アーチ・ボリューム》。けっこう力が要ります。
403architecture [dajiba]の《ライト・アーチ・ボリューム》は空気でふくらませた四角いクッションを並べて、端から押すとアーチ構造を作れるインスタレーション。クッションとクッションの間には接着剤などはなく、摩擦と重力だけでアーチ橋が成り立っていることがわかる。
ヤックル株式会社《ためる》。観客がダムになって水を貯められる、インタラクティブな作品。
エンジニア集団のヤックル株式会社の《ためる》は、「た」「め」「る」という文字が流れてくる滝の前に立つと自分がダムになり、その滝をせきとめることができる作品だ。せきとめたところは「土」という文字になる。実際のダムは飲料水や農業用水、発電などに使われている。天の恵みである水を最大限、活用する施設なのだ。