白井晟一の美術館建築を特別公開!|青野尚子の今週末見るべきアート | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

白井晟一の美術館建築を特別公開!|青野尚子の今週末見るべきアート

昨年、開館40周年を迎えた〈渋谷区立松濤美術館〉。それを記念した「白井晟一入門」展の第2部は、白井の作品である同館の建物そのものを見せる企画です。普段は見られない秘密の場所も特別公開! 白井晟一の建築の深さがわかります。

エントランスの天井にはオニキスがはめ込まれ、その上にある光源からの光で来館者を出迎える。奥の扉を開くとそこがブリッジだ。
来館者は吹き抜けのブリッジを渡り、その先の扉を開いて進む。
いよいよ中に入ってみよう。エントランスの天井は薄く切ったオニキス(縞瑪瑙)がはめ込まれている。いつもはここから左のロビーに入り、さらに左の階段かエレベーターで展示室に向かうのだが、一番最初の設計ではエントランスを直進して噴水のある吹き抜けのブリッジを渡ることになっていた。今回の「白井晟一入門」展第2部でもブリッジを渡る動線を体験できる。ただしここには屋根がないので、荒天時には左のロビーへと室内を迂回することになる。
第1展示室からブリッジの方を見上げたところ。いわゆるホワイトキューブではない、曲線で構成された展示室は珍しい。
回廊の手すりにある紋章は白井のデザインと思われる。バイオリンのようなものと「SHOTOH」(松濤)、「1980」(建物の竣工年。開館は翌年になる)の文字がある。
ブリッジの先の扉を開くと地下1階と地上1階が吹き抜けになった「第1展示室」を見下ろす回廊に出る。この回廊も通常は入れないから、これも貴重な眺めだ。当初の案ではここは回廊ではなく、螺旋階段が2つあり、第1展示室に降りて行けるようになっていた。今は展示室ではなく左手のロビーに出られるようになっているのだが、回廊の手すりには「→陳列室」と右向きの矢印が書かれたプレートが残っている。
展示物のない第一展示室。吹き抜けの向こう側には事務室が見える。白井は運営側も観客も同等であるという民主的な思想から、このような構成にしたようだ。
今回の建物公開では回廊からロビーを通り、その先の、普段使われている螺旋階段から第1展示室へと向かうことになる。第1展示室でいつもと大きく違うのは、池のある吹き抜けに面した窓が開けられていて、時間帯によっては直射日光が入ること。現在の基準では直射日光や紫外線は美術作品の展示には適さないとされているため、普段はここに壁が立てられている。今回は作品がないかわりに、この窓から吹き抜けを見ることもできるのだ。開館以来40年ぶりに実現した眺めが楽しめる。
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