青森に新たなアートの拠点〈八戸市美術館〉がオープン! | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

青森に新たなアートの拠点〈八戸市美術館〉がオープン!

2021年11月、青森県八戸市の中心街に〈八戸市美術館〉がオープンした。設計は、西澤徹夫、浅子佳英。開館記念は、八戸三社大祭をテーマにした『ギフト、ギフト、』を開催する。

光を柔らかくするカーテンは、部屋をゆるやかに仕切るだけでなく、吸音の機能も兼ねる。
既存の美術館の多くは大小のホワイトキューブで展示を行っているが、〈八戸市美術館〉で特徴的なのは、異なる機能に特化した個室群だ。

これについて浅子は、「多様なプログラムに対応できる複数の部屋で構成できないものかと考え、展示室で行われている機能を細かく見直しました。例えば、黒い壁でできた『ブラックキューブ』は、近年の美術館展示で映像作品が多いことを受けて、映写に最適な暗い個室を作りました。主に市民の展示を行う『ギャラリー』には回転壁があるのですが、箱型パネルだと収納スペースを確保しなくてはならないし、レールの可動壁はコストが高くついてしまうからです。回転する壁なら、しまう場所はいらないし、空間を2つ、3つと分けることができる。また、光に弱い日本画の展示も想定している『コレクションラボ』では、照度を落としたときにも美しく見えるよう、白ではなくグレーの部屋にしました」と話す。
市民ギャラリーとしても利用される「ギャラリー2」には箱型パネルやレールではなく回転壁を設置。こうすることで専門のスタッフがいなくても展示入れ替えが容易になる。
個室群は部屋同士が隣り合うように配置されている。
これらの個室群は廊下で繋がれているのではなく、部屋と部屋とが数珠繋ぎのように配置されている。パズルを組み立てるようにしながら、各室をレイアウトしていったという。

「例えば、八戸ゆかりの収蔵作品の展示を『コレクションラボ』で行い、その隣りの『ワークショップルーム』で学生たちが郷土作家について研究する。公演などもできる『スタジオ』と市民の展示を行う『ギャラリー』に面して『会議室』を配置し、アーティストの楽屋としても使うことができる、といった具合です」と西澤。
約520㎡の広さを持つ「ホワイトキューブ」。高さ5mの仮設壁で、自由にレイアウトできる。
開口部の大きさが異なるため、同じ材質・高さのコーナーガードを設置することで統一感をもたせた。
また、浅子は「多様な人々の活動が、どうやったら共存できるのか。『隣りの部屋で何をやっているのかな?』と、利用する人が互いの活動を見られることは、共存の第一歩なのでは」と話す。

さらに、千葉県松戸市のアーティスト イン レジデンス〈PARADISE AIR〉代表の森純平にもチームに加わってもらうことで、アーティストや運営側の目線を取り入れ、現場で起こりうるあらゆる想定について議論を重ねた。
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