丹下健三の名建築が、あなたのアイデア次第で生き残る!? | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

丹下健三の名建築が、あなたのアイデア次第で生き残る!?

丹下健三が1964年に設計した名建築〈香川県立体育館〉が取り壊しの一歩手前だ。しかし、有効活用のアイデア次第では存続の道が開ける。その建築的価値や魅力、希少性について、注目のカルチャー本『世界のビックリ建築を追え』(扶桑社)の著者、白井良邦が語る。

日本刀の“反り”を意識してデザインされたという、屋根と壁(縁梁)の絶妙なラインが美しい。
実際、体育館内部に足を踏み入れると、ギュッと屋根が中央から東西方向の隅へとせり上がり、独特の雰囲気を醸し出している。1階のホワイエに目を向ければ、デザイナー剣持勇が手がけたオリジナルスツールが並び、その外にはイサム・ノグチの制作パートナーであった彫刻家・和泉正敏デザインの池と庭があり、雨の日には巨大なガーゴイル(雨どい)から大量の水が池へと注ぎ込む。
ホワイエ部分。床、天井、手すりなどのディティールにも職人技が光る。
体育館の脇に設けられた庭園。香川県出身の彫刻家・和泉正敏のデザインだ。
しかし、県民から「船の体育館」と呼ばれ、長年親しまれてきたこの建築も、老朽化により耐震補強が求められた。2012年、丹下都市建築設計が改修案をまとめ、県が業者選定の入札を3度実施するもどれも不調に終わり、竣工から50年経った14年9月に体育館は閉鎖となった。

翌年には新たな県立体育館建設の動きが起こり、高松港近くにコンサートなど多目的で使用できる1万人収容の施設建設が決まった。18年、コンペで妹島和世+西沢立衛/SANAAの案が選ばれ、24年度のオープンへ向け着々と整備事業が進められている。そう、巨匠・丹下設計の体育館はお役御免となり、ついに今年で丸7年、閉鎖されたままの状態なのである。
〈香川県立体育館〉は1966年、建設業協会賞を受賞している。
ホワイエ前に設けられたチケット売り場。
そして今回、〈香川県立体育館〉の「サウンディング型市場調査」が行われることになった。これは、建物や土地を有効活用するアイデアを広く民間事業者に求めるもので、21年9月30日まで参加申し込みができる(提案書の提出締め切りは、10月21日)。

建物に耐震性能がないので耐震補強を行う必要はあるが、自由な発想で、体育館以外の用途・機能をもった建物として再生・使用することも認められている。また土地・建物の権利については、売却・譲渡・賃貸借など、提案内容に応じて県側も対応するという。
会員プログラム

登録者数12,000人突破!

建築家のアトリエ見学/名作家具プレゼント/限定メールマガジン…すべて無料。

建築家のアトリエ見学に、名作家具プレゼントも。

いますぐ登録!