直島の知恵から作った、風が抜ける〈直島ホール〉 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

直島の知恵から作った、風が抜ける〈直島ホール〉

中に入って見上げるとアニッシュ・カプーアのアートみたいにも見える建築が直島にできました。三分一博志が設計した〈直島ホール〉は自然の力で空調を促す建築。直島に伝わる、昔からの知恵が生きています。

この建物の最大の特徴は天井にあいたスリットだ。その上にかけられた入母屋の屋根には、ほぼ南北に向かって三角形の開口部がある。この付近では南から北に風が抜けるようになっていて、屋根の三角形の開口から風が入ると、その時に生じる圧力差によってスリットから室内の空気が上に上がり、屋根から抜けていって、自然に換気が行われる仕組みだ。
夜の景色も幻想的。総檜の屋根の質感が美しい。
〈直島ホール〉は盛り土をし、その中に埋まっている。床下にも空気の通り道があり、床に開けられたスリットからかすかな風が入ってくる。

「建物が半分地下に埋まっているようなもの。風の効果と相まって、夏は涼しいと思います。」と三分一は言う。
盛り土の上に埋まって建つ〈直島ホール〉。盛り土の地熱と外気の温度差により、夏場は冷却され、冬場は暖められた空気が床下から出てくる。
三分一はこの建物を設計するにあたって2年半近くリサーチを積み重ね、〈直島ホール〉がある本村の家の間取りと配置にある法則があることに気づいた。直島に残る旧家の区割りは南の山間の谷から北にある港に向かって開いた扇型に沿って、ほぼ碁盤の目状に並んでいる。家は中央に二間の続き間があり、その南北に縁側が、さらにその南北に庭がある。庭と庭を結んだラインは、谷と港を結ぶ扇の“骨”に沿っている。このラインは風の通り道なのだ。

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