隈研吾展に見る:クマがネコとつくる建築と都市|青野尚子の今週末見るべきアート | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

隈研吾展に見る:クマがネコとつくる建築と都市|青野尚子の今週末見るべきアート

国内外で八面六臂の活躍を続ける隈研吾。〈高知県立美術館〉、〈長崎県美術館〉で好評だった個展『隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則』が東京に巡回してきました。ネコの手を借りた(!?)展示をご紹介します!

〈V&Aダンディー〉(2018年)の模型とアイルランドのユニット、マクローリン・ブラザーズが制作したタイムラプス映像。棟と棟の間の中庭のようなスペースが「孔」となってユニオン・ストリートと川をつなぐ。
隈は建築を設計するときに大きな塊ではなく、「粒子」の集合体としてデザインするという。こうすることで建築と家具や小物、ゴミに至るまですべてをヒエラルキーなく同列に扱うことができ、人間がより自由にふるまうことができる。隈が多用する小割にした木材も「粒子」的だ。小さな材は傷んだらそこだけ交換することができ、新陳代謝を促進して建物の寿命を延ばす。
隈が木を使ったプロジェクトを多数手がけている高知県高岡郡の〈梼原 木橋ミュージアム〉(2010年)はホテルと温泉施設をつなぐ橋。斗栱(ときょう)というアジアの伝統的な木造建築の技術を使っている。
瀧本幹也による映像インスタレーション《梼原の隈建築》(2021年)。音楽を坂本龍一が担当。梼原で展開する6つのプロジェクトを紹介する。
梼原のプロジェクトの一つ、〈雲の上の図書館/YURARIゆすはら〉。内部には木漏れ日の降り注ぐ森のような空間が広がる。
〈800年後の方丈庵〉(2012年)。鴨長明の没後800年を記念してデザインしたモバイル型住宅。細い木材、磁石、ETFEという透明な膜で作られ、丸めて持ち運べる。粒子の集合体である建築は可動性も高い。
近代では「やわらかい」建築について議論されることは少なかった。西洋建築では石などの硬い壁が建物を支えてきたからだ。が、日本建築では柔らかい土壁で建物を覆い、しなる竹で窓を作る。身体が心地よいと感じるのは硬い素材よりも柔らかい素材だろう。隈は建築における「やわらかさ」の可能性を広げたいと考えている。会場でも布や糸を使った建築が展示されている。
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