【東京・新宿】昭和初期に設計された旧伯爵邸で、アフタヌーンティーを。|甲斐みのりの建築半日散歩 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

【東京・新宿】昭和初期に設計された旧伯爵邸で、アフタヌーンティーを。|甲斐みのりの建築半日散歩

新宿の喧騒から少し外れた、地下鉄大江戸線・若松河田の駅前には、昭和初期に華やかな伯爵邸として建てられた〈小笠原伯爵邸〉と、民藝品の小さなデパート〈備後屋〉が向かい合わせで建ち並ぶ。そこから少し離れた〈新宿区立漱石山房記念館〉と合わせて、ゆったりとした気分で新宿区を散歩した。

●5フロアに全国各地の民藝品が集まる〈備後屋〉。

〈備後屋〉は地下鉄大江戸線・若松川田駅のすぐ目の前。
5つのフロアに渡り様々な地域や素材の民藝品が取り揃う。
アフタヌーンティー後は、抜弁天通りを挟んで斜向かいにあり、蔵を思わせる白壁の建物の中に、全国各地の職人の手仕事が並ぶ民藝品店〈備後屋〉へ。地下1階は郷土玩具、1階は紙工品・竹工品・金工品など、2階は陶磁器やガラスなどの器、3階は染物や織物、4階は型染・漆工品・木工品。スキップフロア状に半階層ずつ分かれたフロアごと扱うものが異なり、さながら小さな暮らしの百貨店のようだ。 
地下1階の郷土玩具フロア。東北6県のこけしがずらり。
竹で編んだ店内用の買い物カゴ。
スキップフロア構造で上下階と繋がっている。
備後屋の「備後」は、現在の広島県東部にあたる旧国名。当代2代目・岡田芳宗さんの父は、畳表の産地として知られる広島から上京し、1962(昭和37)年に民藝品店を開いた。開店当初はござやい草の製品が多く、じょじょに陶芸品など種類が増えていったという。最初は自宅を兼ねた平屋で商売をおこない、1966(昭和41)年に今のビルが完成している。
陶磁器やガラスなどの器が並ぶ2階のフロア。陶磁器、急須、そばちょこ、大皿、小皿、ガラスと、多様に揃う。
異なる産地の器が並ぶ棚。
包装紙も趣あるデザイン。芹沢銈介によるショップカードもぜひご覧あれ。
店頭に並ぶ品々は、先代から長年かけて信頼関係を築いてきた職人の手によるもの。私もこれまでにもときどき足を運んでは、器や竹製品や郷土玩具を買い求めてきた。品物ごとに地域や名称が書かれているので、一つ一つ品物を眺めて見るうちに、全国各地を旅しているような気分になれる。どれも人の手で作られているから、同じ窯元の同じように見えるものでも全て表情が異なり、選ぶときはいつも自分の直感に委ねて決断する。近年は廃業により取り扱いできなくなったものも増えてきたと聞いて、ますます一期一会の出会いを大事にしようと思うのだった。
六原張子と呼ばれる、岩手県・さわはん工房の風船猫。

〈備後屋〉

東京都新宿区若松町10-6 TEL 03 3202 8778。10時〜19時。月曜、第三土曜とその翌日休。地下鉄大江戸線若松河田駅前。

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