丸ノ内へと旅立つ〈静嘉堂文庫美術館〉の国宝と建物を愛でる。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

丸ノ内へと旅立つ〈静嘉堂文庫美術館〉の国宝と建物を愛でる。

東京・世田谷の緑豊かな庭園に佇む〈静嘉堂文庫美術館〉。国宝《曜変天目》など数々のお宝で知られるこの美術館は来年、丸ノ内に移転します。4月から開かれる「旅立ちの美術」展は、所蔵の国宝全7点を含む至宝を庭園とともに見られる最後のチャンス。建物とあわせて紹介します。

国宝《曜変天目》南宋時代(12〜13世紀)、静嘉堂文庫美術館蔵。小さな茶碗に広大な宇宙がのぞく。
《古瀬戸芋子茶入 銘 雨宿》室町〜桃山時代(16世紀)、静嘉堂文庫美術館蔵。この茶入を所蔵していた大阪の両替商・平瀬露香は所蔵品の箱に「集散は期せずとも 願わくば同好におくらん(書き下し文)」との印を捺し、人生の短さと永遠の美を対比した。
その国宝の一つ、《曜変天目》は、完形品は世界に三碗しかないと言われる神秘の輝きを放つ茶碗。宇宙の星のようなきらめきはどのようにして作られるのか、完全には解明されていない。この茶碗は徳川将軍家から三代将軍家光の乳母、春日局を経て稲葉家に伝来、昭和9年に岩﨑小彌太が入手した。彼は「天下の名器」として自らの茶事に使うことはなかったという。名碗への小彌太のリスペクトが伺える。
長次郎 《黒樂茶碗 紙屋黒》桃山時代(16世紀)、静嘉堂文庫美術館蔵。表千家流の茶人・川上不白(かわかみふはく)が、修業を終えて京都から江戸に帰る際、茶友・鴻池善右衛門から贈られた秘蔵の茶碗と伝えられる。
河鍋暁斎 《地獄極楽めぐり図》のうちの1図。明治2〜5年(1869〜72)、静嘉堂文庫美術館蔵。装飾に覆われた極楽行きの蒸気機関車の横を、顔が馬、身体は人間という馬頭(めず)のような車夫が引く車が走る。会期中、場面替えあり。
極楽へ旅する列車という、SF的な情景を描いたのが河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》だ。パトロンの愛娘・田鶴(たつ)の冥福を祈って描かれた。不幸にして亡くなった田鶴は諸仏の案内で地獄を見物、最後は蒸気機関車で極楽に到着する。この絵は新橋・横浜間に日本初の鉄道が開通する直前に描かれている。当時の最新テクノロジーである鉄道への関心の高さが伺える。
国宝 因陀羅筆・楚石梵琦題 《禅機図断簡 智常禅師図》元時代(14世紀)、静嘉堂文庫美術館蔵。樹下の高僧・智常禅師が文官・張水部に進むべき道を指し示しているとされる。前期展示(4月10日〜5月9日)。
川端玉章《桃李園・独楽園図屏風》右隻、明治28年(1895)。月明かりの下で親しいもの同士、詩や酒を味わう。静嘉堂文庫美術館蔵。
せわしない日常を離れ、郊外で自然に親しみ、ゆっくりと思いを巡らせたい。川端玉章の《桃李園・独楽園図屛風》は現代の人々も憧れるユートピアの光景を描いたもの。右隻は李白の詩に基づき、春の宵に月や酒、花、詩を楽しむ李白たちを描く。左隻に描かれているのは庭園でのどかな暮らしを楽しむ北宋時代の政治家、司馬光の姿だ。
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