ローテクの「コンテナ住宅」が今なぜ注目されるのか|吉田実香のNY通信 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

ローテクの「コンテナ住宅」が今なぜ注目されるのか|吉田実香のNY通信

アップサイクル建築のパイオニア、〈LOT-EK(ローテク)〉。彼らの貨物コンテナ住宅は現在、一般でも購入できるという。そもそもコンテナに住む魅力とは? 代表のアダ・トーラに話を聞いた。

リビングを戸外へと拡張させる、ウッドデッキ。
快適な居住空間。見上げると、コンテナの天井が。
2階にはベッドルームが2部屋。1階はリビングとダイニング&キッチン。
スチールでできた波状の壁や天井も覆うことなく、ペイントを表面に施す程度にとどめ、むき出しのまま見せる。床や天井の裏には断熱材を入れ、防寒を図る。斜めに切り取られたガラス窓は《c-ホーム》の特徴のひとつ。採光・換気といった機能に加え、〈LOT-EK〉らしいデザイン性も備わるのだ。〈LOT-EK〉のアダ・トーラに話を聞いた。

─コンテナ住宅をプレハブとして一般向けに販売し始めた、そもそもの理由は?

輸送コンテナを使ったプレハブ住宅は、私たちが長年目指していたものでした。理由は2つ。1つは〈LOT-EK〉へのコンテナ住宅の問い合わせが非常に多かったこと。もう1つはコンテナそのものが住宅向きの特性をあまりに備えているからです。規模やモジュール性、耐久性。トラックや船舶、列車と多くの輸送手段でどこへでも移動可能です。そして使われていない、もしくは廃棄されたコンテナが世界各地に大量に放置されているという事実。これが何より大きいですね。

─コンテナ建築のプロジェクトを、これまで各地で手がけてきましたね。

2000年に設計した《モデル・デュエリング・ユニット》(MDU)は、ミネアポリスのウォーカー・アート・センターとNYのホイットニー美術館で展示されました。2007年には《コンテナ・ハウス・キット》(CHK)を発表しています。その後プーマのポップアップ《プーマ・シティ》や、21個のコンテナを使ったブルックリンの住宅《キャロル・ハウス》が完成します。この時に用いたのが、キャンティレバーや構造的なカットでした。《c-ホーム》では、斜めに切り取られた窓が個性を鮮やかに際立たせる、シンプルに積み重ねた構造を目指しています。

─パンデミックにより職住融合、地方移住など「居場所」のあり方は激変しました。

コロナは戸外への新たなニーズを生み出しました。家で大人はリモートワークをこなしながら、子ども達は学習や活動をしないといけない。都市の賃貸住宅では難しく、かといって郊外に一軒家を買うとすれば予算も時間もかかります。求められるのはすばやく入居でき、コストも抑えられてサステイナブルな家です。

─《c-ホーム》に惹かれる人が多いわけです。

中古コンテナのアップサイクル建築だし、プレハブで組み立てられる。その上、屋外や自然と一体化する開放感もありますからね。
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