隈研吾による石の超建築、角川武蔵野ミュージアム。 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

隈研吾による石の超建築、角川武蔵野ミュージアム。

『カーサ ブルータス』2020年10月号より

隈研吾の最新美術館は2万枚の花崗岩で覆った石の建築。“木” をふんだんに使用した〈国立競技場〉とは対照的な、“石” をダイナミックに使ったミュージアムの誕生です。

天に向かって本棚が無限に延びていくような「本棚劇場」。
隈はこのミュージアムを「大地から隆起してきたような」あるいは「大地の深いところに突き刺さっているような」建築にしたかったという。〈角川武蔵野ミュージアム〉が建つ地は大規模な地殻変動によって形成されたフォッサマグナという巨大な溝に関東ローム層の土が堆積したもの。「その大地のマグマがそのまま隆起したかのような建築です」

また日本では巨岩そのものをご神体とする信仰があり、外国でも同様のものが見られる。隈が「アクロポリスなどの建築物になる前の岩そのものを建築化した」という〈角川武蔵野ミュージアム〉はこういった、古くから人間のDNAに組み込まれたかのような感覚を具現化している。

この「岩のような建築」を造るために使われた石は黒から灰の地に白い縞が走る花崗岩。普通よりも厚い、7cmの厚みのものを割肌仕上げにした。割肌とは表面を割りっぱなしにした、粗い仕上げのこと。建物の全面には2万枚もの花崗岩が使われているが、隣り合った石も、色合いや凹凸などが揃いすぎないよう、あえてばらばらなものにしている。不規則に折れ曲がった複雑な形は、角度や折り方など、コンピュータソフトで無数のオプションを検討したものだという。

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