マッキントッシュの〈ヒルハウス〉を守る、巨大なさや堂が完成!|山下めぐみのロンドン通信 | ページ 2 | カーサ ブルータス Casa BRUTUS

マッキントッシュの〈ヒルハウス〉を守る、巨大なさや堂が完成!|山下めぐみのロンドン通信

スコットランドを代表する建築家、チャールズ・レニー・マッキントッシュ(1868-1928)。崩壊寸前だった彼の名建築〈ヒルハウス〉を保護する〈ヒルハウス・ボックス〉がついに完成。いろんな角度から観察できるようになった。

「セメントを使ったことによる問題」など、建物の解説もあり。
Q:水の中で溶けかけてる錠剤みたいだったと聞きました。

:ええ。それで修復を前提に、まずは屋敷全体を足場とシートなどで覆って保護することがほぼ決まっていました。修復期間や方法も目処は立っていないのですが、ひとまずその期間もビジターを迎えるため、カフェや展示スペースのある仮設パビリオンをガーデンに建てようと、デザインコンペがあったのです。
右奥の部分が新たに建てられたカフェやショップなどが入った部分。
Q:つまり〈ヒルハウス〉の外観は全く見えないように覆ってしまうはずだった。

:そうです。修復期間は10年以上掛かるかもしれないのに、建物全体を工事中の覆いで隠してしまうのは残念過ぎますよね。それで屋敷が見える状態で風雨から守る”さや堂”をデザインし、カフェやショップなどもその中に入れるというアイディアを提案しました。〈ヒルハウス〉はガーデンも含めてデザインされているので、そこにパビリオンを建てるのもよくないし。


Q:なるほど。それでその案が通ったのですね。

:はい、熱意が伝わったのかなと思います。まずは建物を「乾かす」ことが目的なので、風雨から守りつつ透過性があり、建物が外からも見えるもの、組み立てや解体が容易な軽い構造のものをと考え、高圧線の鉄塔からアイディアを得ました。ボルトで組み立てられる細いスチールのフレーム。そこにスチールのリングを組み合わせたメッシュを取り付けたもので、すっぽり覆うことにしたのです。
風や蜂は通過し、雨は遮断するスチールのリングを組んだメッシュ。
Q:レースのカーテンのように、適度に透けてる見えるのも面白いです。

:建物の周りに草木があるので、メッシュの穴は蜂が通り抜けできる大きさになっています。使われたリングの数は3000万個以上もあり。この種のストラクチャーでは世界最大です。

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