FOOD
住宅地の小屋でつくる〈ニュアージュマフィン〉へ | 行くぜ、東北。
| Food, Travel | sponsored | photo_Tetsuya Ito text_Kei Sasaki editor_Akio Mitomi
民家の庭先にぽつんと立つ小さなマフィン屋さん〈ニュアージュマフィン〉。店主がひとりで焼くわずかな数のマフィンを目当てに、ご近所はもちろん、遠方からもはるばるファンが訪れます。
粟野えりかさんが、〈ニュアージュマフィン〉をオープンしたのは2010年。実家の庭の一部を拝借し、3坪の工房兼店舗を建て、製造から販売まで、すべてひとりで行っている。それまで10年余り、カフェを中心に東京の飲食店で働いてきた粟野さん。お菓子作りは子供の頃から大好きだったこと。実家のある山形に戻ったのを機に「好き」を「仕事」にしたというわけだ。
マフィンを選んだ理由は「フレーバーでバリエーションを作れる」ことと「売れ残っても自分が好きで食べられるから(笑)」。カフェ勤務時代にもお菓子作りを担当していたが、自分の店ではアイテムをひとつに絞り、丁寧に作ることに決めた。
マフィンを選んだ理由は「フレーバーでバリエーションを作れる」ことと「売れ残っても自分が好きで食べられるから(笑)」。カフェ勤務時代にもお菓子作りを担当していたが、自分の店ではアイテムをひとつに絞り、丁寧に作ることに決めた。
店頭に並ぶマフィンは常時6種。プレーン、抹茶ホワイトチョコレートの2種類の定番に加えレモンなど季節のマフィンが1種類。あとはクリームチーズやチョコレートキャラメルなどが日替わりで登場する。材料は北海道産の小麦粉や地元山形県<後藤牧場>のやまべ牛乳、アルミニウムフリーのベーキングパウダーやブラウンシュガーなどできる限り安全なものを吟味。蔵王〈ウッディファーム〉やご近所に住むおばあちゃんが手作りする地元産の果物のジャムなど、山形の土地の恵みを焼き込むことも。
ぷっくりふくれ上がった焼き上がりが雲のように見えることから店名をフランス語の「ニュアージュ(雲)」に。閉店は15時だが、昼前後には売り切れ仕舞いしてしまうことも多いので事前の予約がおすすめだ。
ぷっくりふくれ上がった焼き上がりが雲のように見えることから店名をフランス語の「ニュアージュ(雲)」に。閉店は15時だが、昼前後には売り切れ仕舞いしてしまうことも多いので事前の予約がおすすめだ。
ままごとを連想させるほど小さな店だが、すみずみまで粟野さんの美意識が貫かれている。マフィンを並べる古い飾り棚や器も、ひとつひとつ自分で選び揃えたもの。古いスーツケースを重ねたディスプレーやドライフラワーのあしらいなどにもセンスを感じ、ほんのわずかな買い物の時間を楽しい気持ちで過ごせる。
夏は毎朝4時から、忙しい冬場は凍りつくほど寒い午前2時から厨房に入り、ひとりでマフィンを焼く粟野さんだが、そんなストイックさをみじんも感じさせないほんわかした笑顔も店の大きな魅力。子供からお年寄りまで食べられる素朴でやさしい味と、感度の高い人々のセンスに訴えかける店作りで、町の新しい顏になりつつある。
夏は毎朝4時から、忙しい冬場は凍りつくほど寒い午前2時から厨房に入り、ひとりでマフィンを焼く粟野さんだが、そんなストイックさをみじんも感じさせないほんわかした笑顔も店の大きな魅力。子供からお年寄りまで食べられる素朴でやさしい味と、感度の高い人々のセンスに訴えかける店作りで、町の新しい顏になりつつある。
