土田貴宏の東京デザインジャーナル|モルテーニの家具と対話する空間

クオリティー、歴史、製品のバリエーションなど、さまざまな要素を考え合わせると〈モルテーニ〉はイタリアの家具ブランドの頂点と言っていい。スターデザイナーを次々に起用するタイプのブランドではないけれど、難易度の高いデザインを具現化する技術力と柔軟性があり、デザイナーや建築家からの信頼も厚い。20世紀のイタリアで絶大な影響力を持った建築家、ジオ・ポンティの家具の復刻を2012年から手がけているのも、そのポテンシャルが広く認められている証だろう。そんなモルテーニのフラッグシップショップが南青山にオープンした。

オープンに合わせて来日したパトリシア・ウルキオラ。吹き抜け部分の壁一面を覆う木は、簾のように光を通す。

空間をデザインしたのは、モルテーニでも活躍しているミラノ拠点のパトリシア・ウルキオラ。彼女は、周囲の喧騒とプライベート感のある店内の境界として、木を縦方向のルーバー状に構成してガラスの壁一面を覆った。ここに丸いパターンを配したのは、昨年、訪れた京都の光明院の丸窓をモチーフにしたから。また1階では自身も敬愛するジオ・ポンティの作風を参照して、ガラスを幾何学的に組み合わせた“ジオ・ポンティスクリーン”を設えている。

木で覆った左の壁面は、借景の緑が美しく見える。右側がガラスでできたジオ・ポンティ・スクリーン。

ジオ・ポンティの仕事を検証し、マーブル、ストライプ、ドットなどのパターンを幾何学的に構成。光や音を通しながら空間を仕切るための仕掛けとして、ショップの1階で使われている。