DESIGN
速報! SHOWCASE
October 30, 2014 | Design | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai
松澤剛(E&Y)、山田遊(method)、尾原史和(soup design)の3名がディレクターとして立ち、「新たな文化と思想をトレードする場」としてスタートした「SHOWCASE」。今年は、日、スイス、台湾の3カ国から気鋭のクリエイターが16組が集結した。
《CONTROL》
靴を履いたり、磨いたりするための専用スツール《SHOE STOOL》の開発をきっかけに、新たな視点によるスツールのスタディに取り組んだ二俣公一。機能性や目的からモノのあるべき形を求めるのではなく、素材そのものが持つ特性やパーツとその接合法から考察を重ねたことで、「腰を下ろす」という極めてシンプルな用途に使われるスツールにこれまでにはない可能性を見いだしている。φ180cmの丸太を半分に切ったものを組み合わせ、円弧の接点だけでバランスと強度を保たせた作品(写真)には、現代建築にも似た荘厳な美しさがある。
《柱の間のベンチ2》
家具は、通常単体で自立することが常とされるが、建築家の中村竜治の提案は、その常識を打ち破る非常にユニークなものだ。彼が提案するものは「柱の間のベンチ」という名前の通りに、円柱状に丸め、それを糸で固定した複数のベニヤ板を2本の柱の間に連続して配置。それをベンチとして見立てている。
上に座ると横方向にベニヤは変形するが、隣り合うそれぞれがテンション保ちながらをその力を分散し、両端の柱が横に伸びる力を抑制する役割を果たしている。既存の構造体を利用することで、空間そのものが家具へと転化させる斬新なアイデアになっている。
《Palutta》
インダストリアルデザイナー、カルロ・クロパスは、スイスのグラウビュンデン州グリソンズに伝わる伝統的な製造手法や食文化と、日本の漆塗りの技法とを融合した作品を展開。手工芸に基づく日本の漆器を、工業的なデザイン思想により類型学的に捉え、木材(メープル)、ステンレス、磁器などを用いた現代的で軽量なプロダクトへと発展させた。時代や思想、背景の異なるものづくりの方法論を、緻密な計算により美しく統合したこれらのアイテムは、すでに販売ベースにも乗っている。
SHOWCASE
東京都渋谷区代官山町20-23 2F。11時〜20時。〜11月3日。入場料500円。公式サイト