佐藤オオキが語る、NHKドラマ『運命に、似た恋』制作秘話。

北川悦吏子のオリジナル脚本によるNHKの恋愛ドラマ『運命に、似た恋』が放送中。本作でデザイン監修を担当したデザインオフィスnendoの佐藤オオキに、その舞台裏を聞きました。

9月23日からスタートした、原田知世と斎藤工が出演するNHKの恋愛ドラマ『運命に、似た恋』。斎藤工が演じる世界的に活躍するデザイナー、ユーリのキャラクターをよりリアルに描き出すために、脚本家の北川悦吏子が直接指名したのが、佐藤オオキだった。

第2話に登場するインスタレーションと椅子の模型を前に語る佐藤オオキ。

「これまでにいろいろなものをつくってきましたが、『ドラマをつくる』というのは初めての経験。何をしてよいのか、最初は戸惑いましたね」

なんとなく場違いな感覚を覚えつつ、台本の読み合わせに参加。出演者と初顔合わせしたのだが、総勢150名を超える現場を支えるスタッフの数にまず驚いた。デザインにまつわるユーリのセリフに、自分ならばこう発言するだろうと修正を加えたほか、ドラマのなかに登場する展覧会の会場や、そこで発表される作品はもちろん、ユーリがつくり出すもののデザインを佐藤が担当。さらに、事務所や制作現場に置かれる道具、本棚に並ぶ本に至るまで、佐藤の指導のもとでシーンがつくられていった。

さらに北川が求めたのは、デザイナーがどのような態度で仕事と向き合っているのかということ。

「ある日、僕の事務所に斎藤工さんがやってきて、スタッフとのやりとりやデザインの制作プロセスを体験。一つのドラマをつくりあげるのに、ここまでやるんだなぁって、こちらが逆に感心しちゃいました」

デザイナーのユーリを演じる斎藤工。

いくらリアリティを追究したとは言え、そこはフィクション。ドラマだけに、ところどころ誇張されているポイントもあるのは事実だ。

「デザイナーってこんな恋愛の仕方をしているの? なんて思われるかもしれませんが、さすがに制作の現場で“壁ドン”なんて経験は、僕には……」

そう苦笑する佐藤だが、ユニークなコンセプトワークからディテールへのこだわりなど、実際にデザインの現場で彼自身が体験していることが随所で効果的に使われている様子もうかがえる。

原田知世演じるカスミは、高級クリーニング店で働くシングルマザー。

第2話では、布を使ったインスタレーションがふたりを繋ぐ。