DESIGN
野村訓市のアップル発表会レポート #03
September 12, 2014 | Design | casabrutus.com | photo & text_Kunichi Nomura editor_Akio Mitomi
あのMacintoshの発表からきっかり30年後、2014年9月9日の朝10時(現地時間)からのApple新製品発表会に招待された野村訓市による現地から3回目、最後のレポートです。
〈フリントセンター〉を出ると、いよいよおさわりのできるタッチ&フィール会場だ。真っ白の建物の中央にはApple Watchがずらりとディスプレイされ、その左右にiPhone 6とApple Watchを実際に触れるコーナーがある。トイレで出遅れ、なかなか列が進まず中に入れてもらえない。そうこしてるうちに知り合いの知り合いに会い、その間に会場の説明を聞いた。天井は全てが均一に光るようにLEDが仕込まれているらしい。そして正面にある大きなリンゴのマーク。あれは何で出来てるのと聞くとびっくりすることにフェルト製だった。
フェルト、次の内装に使えるかもと考えていると俺の番が来た。おぉ、これがApple Watchか、思ったよりも小さい。そして6種類用意されたというリストバンドを全部見る。発表時からここまでバラエティの揃ったアップルのプロダクトは今までなかったんじゃないだろうか? 何しろ通常のApple Watch、そしてそのスポーツタイプ、そしてエディションとボディが3種類もあり、それに合わせてリストバンドが6種類あるのだ。アップルといえば全く新しいプロダクトを発表するときは大抵1つしかバリエーションがないものと考えていたので、実際にズラリと並んだApple Watch を見るとびっくりする。大きさを実感するには普通の時計と比較するのが一番なのだが、俺は時計をしないのでそれができない。そこにちょうど藤原ヒロシ君がいたので、腕を見るとロレックスをしてる。「ちょっと腕貸してください!」と頼んで並べて写真を撮ってみる。なるほどこんな感じか、割と時計として普通に付けることができそうだ。ここも今までのプロダクトと違う気がする。時計というものを良く考えて、あらゆるシチュエーションで付けられることを考えて作ったのだろう。映画に出てくるようなバリバリ未来然としたようなものを見てみたかったような気もするが、実際に仕事中のスーツ姿の人やスポーツ中のアスリートなどを考えると、このようなデザインの方が使いやすいのだろう。使い勝手、つまり中身は買ってみなけりゃわからない。やっぱりポリシーを変えて付けてみるか、どうしようか考える。
それからiPhone 6の実機のほうを見にいく。もう6がでるとは時の流れの早さは凄まじい。デザインはネットで予想されていたとおりでこれは確かに大きい。スリムのデニムとかのポケットには、なかなか入れづらいかもしれない。が、やっぱり画面は滅茶苦茶見やすい。片手でも全然いけそうだ。それに薄いし。なんとなくiPhone 3の頃のデザインに近いと感じるのはエッジが丸いからなのだろう。持ち心地もいい。これはもう発売日に手を出すだろう、絶対に。並べてみると今使ってるiPhone 5sが突然分厚く見えてくるのが不思議だ。今日まで一度も、別に分厚いとか思ったこともないのに。比較対象が現れると人間の心はあっという間に次へと目移りするのだ。5インチオーバーのiPhone 6 Plusは本当に大きい。ちょっとしたiPad miniだ。が、これも女の子は使うのだろう。もうこれで化粧をするときに手鏡をのぞく者はいなくなるだろう。
フェルト、次の内装に使えるかもと考えていると俺の番が来た。おぉ、これがApple Watchか、思ったよりも小さい。そして6種類用意されたというリストバンドを全部見る。発表時からここまでバラエティの揃ったアップルのプロダクトは今までなかったんじゃないだろうか? 何しろ通常のApple Watch、そしてそのスポーツタイプ、そしてエディションとボディが3種類もあり、それに合わせてリストバンドが6種類あるのだ。アップルといえば全く新しいプロダクトを発表するときは大抵1つしかバリエーションがないものと考えていたので、実際にズラリと並んだApple Watch を見るとびっくりする。大きさを実感するには普通の時計と比較するのが一番なのだが、俺は時計をしないのでそれができない。そこにちょうど藤原ヒロシ君がいたので、腕を見るとロレックスをしてる。「ちょっと腕貸してください!」と頼んで並べて写真を撮ってみる。なるほどこんな感じか、割と時計として普通に付けることができそうだ。ここも今までのプロダクトと違う気がする。時計というものを良く考えて、あらゆるシチュエーションで付けられることを考えて作ったのだろう。映画に出てくるようなバリバリ未来然としたようなものを見てみたかったような気もするが、実際に仕事中のスーツ姿の人やスポーツ中のアスリートなどを考えると、このようなデザインの方が使いやすいのだろう。使い勝手、つまり中身は買ってみなけりゃわからない。やっぱりポリシーを変えて付けてみるか、どうしようか考える。
それからiPhone 6の実機のほうを見にいく。もう6がでるとは時の流れの早さは凄まじい。デザインはネットで予想されていたとおりでこれは確かに大きい。スリムのデニムとかのポケットには、なかなか入れづらいかもしれない。が、やっぱり画面は滅茶苦茶見やすい。片手でも全然いけそうだ。それに薄いし。なんとなくiPhone 3の頃のデザインに近いと感じるのはエッジが丸いからなのだろう。持ち心地もいい。これはもう発売日に手を出すだろう、絶対に。並べてみると今使ってるiPhone 5sが突然分厚く見えてくるのが不思議だ。今日まで一度も、別に分厚いとか思ったこともないのに。比較対象が現れると人間の心はあっという間に次へと目移りするのだ。5インチオーバーのiPhone 6 Plusは本当に大きい。ちょっとしたiPad miniだ。が、これも女の子は使うのだろう。もうこれで化粧をするときに手鏡をのぞく者はいなくなるだろう。
会場をウロウロしてると、スティーブ・ジョブズの奥さんローリーン・パウエルがいる! しかもジョナサン・アイブの奥さんと話してる! どうも自分の性格柄、人の方に目がいってしょうがない。誰にも気付かれていないからか2人ともリラックスした感じで談笑してるという感じだ。アップルの創業者スティーブ・ウォズニアックもいるのかとさらにキョロつくと、ジョナサン・アイブがいた。去年会って以来1年ぶり。久しぶりと声をかけると結構リラックスした感じでニコニコと「久しぶりだね」と返してくる。会場はもっとこうぴりぴりした感じなのかと思っていたら思った以上に和やかな感じ。本人もホッとしたとか、そういう感じよりも、新製品を見せることでできて本当に嬉しいという感じ。古参の社員に聞くと、スティーブの頃はもう、プレゼンテーションから何もかもがスティーブに一点集中だったのでこんな雰囲気ではなかったららしいが。そもそもプレゼンテーションのときにあんなに様々な人すら登場しなかったと。今のほうがよりリラックスし、関わった人達がオープンになったらしい。ついついジョブスがなくなる前数年のあの、研ぎすまされた感じや伝記のせいでアップルとは、一時期こう近寄りがたいような雰囲気があり、それがまたアップルなのだと思っていたが、考えても見れば初代のiMacが出てきたときももっと賑やかな感じだったし、デザインも丸みがあって親近感を持たせるもののほうがずっと長かった。そういう意味での〈フリントセンター〉開催だったのかもしれない。
奥でマーク・ニューソンを見つけた。もう何年もアップルにいるような馴染み方だ。マークもジョナサンもイギリスをベースに1990年代にデザイン界に登場し、しかもプライベートでも異様に仲がいい。皆で一緒に何度か飲んだ事があるが、2人でよくずっと話し込んでいる。マークがデザインチームに加わった事実は最近のアナウンスで世間に知られたが、関わりは結構前から始まっているような気がした。iPhone 6も色んな細部を見ると、どこかしら彼の意見も取り入れられているような気がしてくる。マークの過去の作品集を見て欲しい。色んなことに気付くはずだ。マーク本人はいつも通り、気負った所も何もなく、「よお!」と声をかけてきて、「お前も相変わらず飛び回ってんな、今日の夜はどうしてるんだ?」と聞いてくる。これからすぐにニューヨークにトンボ帰りだというと、「近々日本でな!」といって別れる。日本好きのマークが東京に来たときにでも、色んな話でも聞こう。
奥でマーク・ニューソンを見つけた。もう何年もアップルにいるような馴染み方だ。マークもジョナサンもイギリスをベースに1990年代にデザイン界に登場し、しかもプライベートでも異様に仲がいい。皆で一緒に何度か飲んだ事があるが、2人でよくずっと話し込んでいる。マークがデザインチームに加わった事実は最近のアナウンスで世間に知られたが、関わりは結構前から始まっているような気がした。iPhone 6も色んな細部を見ると、どこかしら彼の意見も取り入れられているような気がしてくる。マークの過去の作品集を見て欲しい。色んなことに気付くはずだ。マーク本人はいつも通り、気負った所も何もなく、「よお!」と声をかけてきて、「お前も相変わらず飛び回ってんな、今日の夜はどうしてるんだ?」と聞いてくる。これからすぐにニューヨークにトンボ帰りだというと、「近々日本でな!」といって別れる。日本好きのマークが東京に来たときにでも、色んな話でも聞こう。
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