Good TOOLS For Me|愛用の箸置きを教えてください。

毎回3人のゲストに愛用の日用品を教えてもらいます。食卓に並ぶと嬉しくなる、お気に入りの箸置きは?

成田理俊さんの鉄の箸置き。

錆びた釘のような、でも洗練された姿が美しい。成田さんの作品は、フライパンと卵焼き器も愛用中。見た目も使いやすさも、◎。

この釘のような箸置きと出会ったのは、河川敷でのイベント。子供のころ草むらで見つけた宝物のように、愛おしい気持ちで持ち帰りました。箸置きは、気が向いたときしか使わないので、少ししか所有していません。お店では形も色も素敵なものをたくさん見かけるけど、キリがないようにも思えるし、頻繁に食卓に登場させてあげられないので。だから数少ない購入の機会に選ぶのは、手に持ったときに箸置き以上の存在感を感じたもの。温もりのあるざらりとした質感、心地よい重み、ぶつかり合ったときのチンッという音。成田さんのこれは、手に取るたびに、自分の中の子供心や兄2人に影響された男子っぽい好みを刺激し、思い出させてくれます。この小さな箸置きのなかに、宝物になる条件まで詰まっている気がするのです。

もちろん、使い勝手も優秀です。適度な大きさと重さ、どんな食卓にも合うさりげなさ、お箸も滑りません。子供が拾った宝物は役に立つとは限りませんが、この箸置きはちょっと使える宝物です。

桑原奈津子

くわはらなつこ 料理研究家。幼いころからの趣味(食べる・動物・写真)の集大成とも言える著書『パンといっぴき』『パンといっぴき2』(パイインターナショナル)も好評。