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Good TOOLS For Me|愛用の包丁を教えてください。
April 24, 2016 | Design | a wall newspaper | editor_Yuka Uchida
毎回、3人のゲストに愛用の日用品を教えてもらうコーナー。今回は人気の料理家に仕事の相棒、包丁を紹介してもらいました。
〈築地有次〉の和包丁一式。
幼いころ、まだ外が真っ暗な中、寿司職人である父に連れられて、寝ぼけ眼で宮城・塩釜の市場に買い付けに行っていました。市場独特の空気感に、まだ幼い私はとてもビクビクしながら父の後ろをついていった記憶があります。そんな中、「お嬢ちゃん、大きくなったねえ」「旦那の娘さんかい。冷えるからこっち来て暖まんな」と声をかけてもらい、父の大きな背中の後ろをついて歩けば大丈夫だと、安心感に包まれました。
背中は少し丸くなりましたが、現役で今でも寿司職人として働く父。同じ飲食の道を歩むようになり、アトリエを構え、初めて父と一緒に築地へ行ったとき、「包丁が必要だろ」と照れくさそうに手に馴染むものを選んでくれました。慣れない築地で、これからよろしくお願いします、という気持ちで包丁を抱えて歩きました。
毎日使うもの、一番大切な仕事道具だからこそ、築地に職人さんがいる安心感というものはとても大きい。通るたびに、あの日のことがよみがえり、父の大きな背中を思い出します。
背中は少し丸くなりましたが、現役で今でも寿司職人として働く父。同じ飲食の道を歩むようになり、アトリエを構え、初めて父と一緒に築地へ行ったとき、「包丁が必要だろ」と照れくさそうに手に馴染むものを選んでくれました。慣れない築地で、これからよろしくお願いします、という気持ちで包丁を抱えて歩きました。
毎日使うもの、一番大切な仕事道具だからこそ、築地に職人さんがいる安心感というものはとても大きい。通るたびに、あの日のことがよみがえり、父の大きな背中を思い出します。
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